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「…たしかに、君に僕は釣り合わないかもしれない。だけど！」
「君さ、そのまま僕と戦ったら、死ぬよ」
「…死ぬ、って、」
「辞めた方がいいんじゃない？死にたくないでしょ、君」
五条にはヒーローを目指す者の考えが理解出来なかった。五条は生まれた時から呪術師になることは決まっていたし、それに疑問を抱くこともなかった。一生狭い檻の中で生きることは、当たり前の事だった。
だから今こうして自由の身になって、何がしたいかと聞かれて即座に答えることは出来なかった。夢なんて非現実的なものを見た事は無かったし、夢の見方さえも分からなかった。
一方緑谷はひたすらヒーローになりたかった。幼い頃からオールマイトに憧れ、目指して、追いかけた。無個性と診断された瞬間その夢は音を立てて崩れていった。それでも諦めることは出来なかった。ただただ、ヒーローになりたかったのだ。
彼らは一生交わることない場所に立っている。
だからこそ、自分とは正反対だからこそ、分かることもある。
緑谷に、ヒーローにとって死とはヒーローになれないこと、つまり、身体が死ぬことだ。
緑谷と五条では、どう見たって五条の方が強い。
今ここで戦えば、彼の身体はボロボロになってしまう。五条はそう確信していた。
しかし、と五条は思う。
そこまでしてヒーローになってどうする。ならなければならないものでは無いのに、自分の身体を壊してまでどうして目指そうとする。
五条には、それがどうしても分からなかった。
「僕らはね、ヒーローにはなれないんだ」
緑谷は五条の話す言葉の意味がわからなかった。
五条はとても良い個性を持っている。そしてそれはヒーロー向きの強個性だ。
ヒーローに、なれない？ならないのではなく、なれない？それに、僕ら、僕らって？
緑谷はそうと聞こうとしたが、どこか哀愁を帯びた雰囲気に上手く言葉が出なかった。
「別にそれがどうってことは無いんだけど。でも君は、ヒーローになるんでしょ。これから多くの人を救うんだ。なら、もっと自分を大事にした方がいい」
まるで、それは、教師。
教え子でもない緑谷に熱くなってしまっている時点で、自分はどうやら彼に期待しているらしい。五条はそんな自分に呆れて、笑う。
「…僕は、五条くん。君には到底叶わないよ。だけど、ここで、君に勝たなきゃいけなんだ」
だって、ヒーローだから。
五条はその言葉に顔を歪ませた。
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く - また戻って来ちゃいました…！！本当にいつ読んでも面白くて飽きません！！この小説が大好きです！！ (3月26日 11時) (
レス) id: 2886bd5eaa (このIDを非表示/違反報告)
a - 何回も読み返してしまうほど設定がしっかりしていて解釈の仕方が納得できたりしてしまう程大好きな作品です更新待ってます (3月22日 5時) (レス) @page41 id: 125b1c80a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - え、おわり？？？え？？ここで？？？え (3月14日 0時) (レス) @page41 id: a785fb42c2 (このIDを非表示/違反報告)
甚嘉 - このお話とても大好きです！私はさしす組推しなんですが、夢小説ではよく硝子さんだけ距離を感じるものが多くて…だけど、この作品は4人の友情が綺麗に描かれていてとても惹き込まれました。これからも頑張ってください！ (2月16日 21時) (レス) @page41 id: c9696c8440 (このIDを非表示/違反報告)
r(プロフ) - この作品大好きで大好きで…初期の頃からずっと追いかけてました…久しぶりに見たら更新されてるなんて…夢中で読みまくりました、、更新ずっと待ってます…作者さんの書く作品が大好きです (1月13日 18時) (レス) id: 892520834f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年6月11日 21時
