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少し昔の話をしよう。
八雲と家入が、緑谷に、そして爆豪に出会ったのは中学生の頃だった。
その時から爆豪の個性は強個性とされ、それが宝の持ち腐れになるなんてことはなく、生徒の中の誰よりも強かった。誰よりも、の中にはもちろん八雲と家入は含まれていないのだが。
幼い頃から"強者"として周りに見られていたからだろうか、幼い頃から無個性だった緑谷という"弱者"が身近に居たからだろうか。
爆豪の性格は、捻くれていた。
「おい」
「…爆豪くん、久しぶり」
「テメェ、個性あったんか」
雄英に通い初めて数週間、八雲は爆豪と話す機会があった。
中学の頃、八雲は爆豪とあまり話したことは無かった。寧ろ、一言交わしたかどうかも危ういところだ。
八雲は爆豪に話しかけられたことに驚きを隠せずにいた。
「うん」
「…無個性じゃ、ねぇのかよ」
「うん」
人見知り、という訳では無い。ただ、八雲は爆豪が少し、というかかなり苦手だった。八雲には彼が才能しか見ない人であるように見えた。それは、かつての上層部と同じだ。
持つものと持たざる者。彼は人を、才能で識別しているように見えて仕方がなかった。
「…チッ、そうやっててめぇは俺の事騙してたのかよ。家入も個性あんだろ」
「硝子もある。あるけど、騙してなんかないよ」
「騙してただろーが！」
「そもそも私たち、無個性とか言ったこと無かったけど」
「ックソが！テメェは、…デクの個性、知ってたか」
「…ううん、知らなかったよ」
「んで、どいつこいつも、…っクソ、」
そう言って去っていった爆豪に、自分の爆豪に対する認識は少し間違っていたことを知った。爆豪は緑谷を見下してなんて居なかった。いや、中学時代はそうだったかもしれない。爆豪は今、焦っている。
ああ、なんてくだらないのだろう。
今、めでたく一位になったらしい爆豪は縄で括られ、口は布に巻かれていた。光栄な賞であるにも関わらず、彼を冷めた目で見る人も少なくない。
「なんか、犬みてぇ」
「昔の悟に似てるね」
「なんか既視感あると思ってたら、それか」
「いや、悟がああなるのは二位になった時だ」
「さっすが親友」
「さすがクズの片割れ」
「頼む、やめてくれ」
「お前らなんなの？」
彼らの心が成長した体育祭となった。
彼らを取り巻く環境が、大きく変わるきっかけとなる、体育祭だった。
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く - また戻って来ちゃいました…！！本当にいつ読んでも面白くて飽きません！！この小説が大好きです！！ (3月26日 11時) (
レス) id: 2886bd5eaa (このIDを非表示/違反報告)
a - 何回も読み返してしまうほど設定がしっかりしていて解釈の仕方が納得できたりしてしまう程大好きな作品です更新待ってます (3月22日 5時) (レス) @page41 id: 125b1c80a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - え、おわり？？？え？？ここで？？？え (3月14日 0時) (レス) @page41 id: a785fb42c2 (このIDを非表示/違反報告)
甚嘉 - このお話とても大好きです！私はさしす組推しなんですが、夢小説ではよく硝子さんだけ距離を感じるものが多くて…だけど、この作品は4人の友情が綺麗に描かれていてとても惹き込まれました。これからも頑張ってください！ (2月16日 21時) (レス) @page41 id: c9696c8440 (このIDを非表示/違反報告)
r(プロフ) - この作品大好きで大好きで…初期の頃からずっと追いかけてました…久しぶりに見たら更新されてるなんて…夢中で読みまくりました、、更新ずっと待ってます…作者さんの書く作品が大好きです (1月13日 18時) (レス) id: 892520834f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年6月11日 21時
