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「いや、そんなんで済ましていい話じゃないだろ」
「そうするしかないだろ。なに、ワタシは前世人殺しでした捕まえてくださーいって出頭するつもりか」
間違っていたのは夏油では無い。世界だ。
五条はそう思っていた。
自分たちを傀儡のように扱い、ただ椅子にふんぞり返ったお偉いさんたちが成す世界が、狂ってない方がおかしい。
人は誰しも生まれながらに悪と決まっていた訳では無く、正と決まっていた訳でもない。環境が、人間の心に影響を与えている。夏油が掲げていた理想は紛れもなく正だった。そして悪意に揉まれるうちに、悪となった。
傑が死刑？ふざけんなよ、傑をそうさせたお前らも同罪だろうが。Aを殺したお前らがなんで無罪なんだよ、なあ、教えてくれよ、
世界は悪意に満ち溢れていた。それに比例して呪霊は湧き、仲間は死ぬ。正も悪も、五条にとっては同じことだった。正が在り続ける限り、悪もまたそこに存在する。
五条は夏油の手を掴み思い切り引っ張りあげた。
突然引っ張られた夏油は目を見開いた。空は、青かった。
「殺したいなら、俺を殺せよ」
「、死なないくせによく言うよ」
「ストレス発散にはちょうどいいでしょ」
「なるほど、君をサンドバッグと思えばいいんだね？」
「は？こんな綺麗なサンドバッグあってたまるか」
「綺麗？はて、なんのことやら」
そういえば先程は散々殴られたな
スペシャルトッピングをつけて殴り返そうと五条に拳ではなく蹴りを入れた。相変わらず体術では夏油の方が強かった。
「テメッ…今じゃねえから！今はタンマ！！」
「いや、勝負つかないだろ」
「待て待て待て、平和に行こうぜ」
「ほう？」
「ここは平和に、叩いて被ってじゃんけんぽんだろ」
「乗った」
ああ、生き辛ぇな。ヒーローってなんだよ。大義を掲げて何が出来るんだよ。正義が勝つのは当たり前、勝者だけが正義だ。昔傑と読み漁ったジャンプに、誰かが言ってたよーな、言ってなかったよーな。
傑からしたらあれが正義だったもんな、傑クンったら僕達のこと大好きだから。正義と正義のバトルで負けちまったんだよな。あれ、待てよ、傑の考えって、アレじゃん。
「悟、どうかした？」
「…あぁ、いや、なに？」
「私勝ったけどさ、負けた人は勝った人の言うことを聞く。これ常識だよね？」
「……ハ？」
「じゃ、二回戦頑張って」
「…………エ？」
勝者、五条。
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あお - 間の開け方とか言葉選びとかすごい良かったです！！ (2022年8月28日 20時) (
レス) @page18 id: c1da01ed72 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 呪術師側のイカれ具合とか、ヒーローに対する嫌悪とか、全て大好きです。 (2022年1月2日 15時) (レス) @page50 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
あかし - あくまで私個人の感想です。書き方やオチ希望してる方がいますがこれは作者様の作品です。書き方も展開も終わり方も全て作者様の自由です。私はこのままの作品が好きですし、作者様の自由にして下さい。言葉選び、文脈全てが大人で素敵です。これからも応援しています。 (2021年8月7日 14時) (レス) id: 9951821a6a (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年2月11日 11時
