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「さっき虎杖君とやらに会ったんだけどさ」
「へえ」
「…ちょっとイキったかも」
「…へえ」
「いや、あれは大人気なかった」
八雲の本心としては是非彼らと仲良くしたかったのだが、きっとあのまま五条や夏油に会ってしまったら、彼らは二人を止めるだろう。
七海だって、夜蛾だって初めは疑った。
違うのは、そこに以前の夏油の記憶が存在していたこと。だから今彼らは共にいることを許されていた。
でもそれが何も知らない、純粋なあの子たちだったら。
八雲は深くため息をついた。
「…お、緑谷背負い投げした」
「…やっぱ、出久くんって個性あったのかな」
「さあ」
『心操くん場外！緑谷くん二回戦進出！』
わあっと歓声が上がった。
そこに便乗するように八雲と家入は拍手をした。
「…あの子達は、ちゃんと自我を持ってる子達だよ」
「…まあ、ぽいよね」
八雲は伏黒の言葉を無視してずいずいと来た釘崎と虎杖の様子を思い返した。
「五条も、まあ何を思ってたんだかは知らないけど結構気にかけてたし」
「…………悟が？雑魚とか言いまくってた悟が？ほんとに？」
「うん」
家入の、荒んだ世界の中で白髪が靡いていた。
「なにそれ、誰の真似？」
「んー？」
「夏油か、いや、A？」
「アハ」
五条は変わった。
五条が自分を「僕」と言った。以前より幾分と柔らかくなった口調、仕草。
家入にはどうしても彼らを真似ているように見えて苦しかった。五条がずっと、彼らに縋っているように見えてしまった。
「あれから、五条が喋る度にお前らがチラついてしょうが無かった。追ってたんだろうな、お前らのこと」
「…私ったら、愛されてる〜」
「顔引き攣ってんぞ」
だから、多分。
「それなりに教師、やってたよ」
八雲の夢を追う形で五条は教師になった。五条の生徒が成長していくのを間近で見ていた家入は、それを八雲に見せたかった。
五条がこんなことしてるんだぞ、やべーだろって、一緒に笑いたかった。
そんな懐かしい記憶が蘇って、そして今それが叶いそうで、家入は笑った。
「生徒のことは教師に任せておけ。お前が架け橋になる理由はどこにも無い。あの子たちにとっては、五条はいつまでも先生だろ」
「…うん、そうだね。余計なことしちゃったかも」
「余計なことするのがAでしょ」
…え、褒めてる？貶してる？
どっちも。
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あお - 間の開け方とか言葉選びとかすごい良かったです！！ (2022年8月28日 20時) (
レス) @page18 id: c1da01ed72 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 呪術師側のイカれ具合とか、ヒーローに対する嫌悪とか、全て大好きです。 (2022年1月2日 15時) (レス) @page50 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
あかし - あくまで私個人の感想です。書き方やオチ希望してる方がいますがこれは作者様の作品です。書き方も展開も終わり方も全て作者様の自由です。私はこのままの作品が好きですし、作者様の自由にして下さい。言葉選び、文脈全てが大人で素敵です。これからも応援しています。 (2021年8月7日 14時) (レス) id: 9951821a6a (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年2月11日 11時
