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「はい、コーヒー」
「さんきゅー」
八雲は緑谷と心操のバトルへ目を向けたが、やはり途中経過が無いといまいち盛り上がらなかった。
あーあ、つまんないの。
自販機から少し歩いただけでもペットボトルに水滴が付いていた。蓋を開ければ歩いたせいで揺れてしまったのだろう、空気の抜ける音がしてなんだか八雲は飲む気が失せてしまった。
五条の生徒は、どこまでも真っ直ぐだった。
「…どなたでしょう」
「あー、伏黒恵です。こっちは、」
「俺、虎杖悠仁っす！ジェニファー・ローレンスがタイプっす！」
「……で、こっちは」
「釘崎野薔薇よ」
「…………です」
伏黒の左右を固めていたのは虎杖と釘崎だった。
八雲は彼らを中々にくせが強いメンバーだと思った。
挟まれている伏黒は呆れたような顔をしていた。
「なあ、あの人、五条先生の隣にいた人じゃね？」
先に八雲の存在に気づいたのは虎杖だった。
会場に着いてから、まずは五条に会いに行こうとプロヒーローの名を借りて関係者席へ向かったのはいいものの、恐らく既に控え室にいるであろう五条の元に突撃するのはなんだか気が引けた彼らはふらふらと歩き回っていたのだ。
そこで、飲み物を買いに来た八雲を見つけた。
あの人の、同級生かもしれない人か。
釘崎は査定するように八雲を見ていた。
やはり五条の同級生となると一癖あるのだろう。
「俺ら、高専の、あーっと、五条、さんの教え子？みたいなやつで」
伏黒もまだ八雲が高専生であったこと、五条の同級生であったことに確信を持てていなかったので核心を避けるような物言いをした。
もちろんその計らいも八雲には伝わっているわけで、八雲にはその不器用さが可愛らしかった。
「そっか、悟の教え子なんだね、三人は」
タイプ云々の話はスルーしてそう答えると虎杖は目を輝かせて八雲に詰め寄った。
虎杖は嬉しかった。いつもどこか独りだった五条に、今こうして同級生がいる。それはとても、幸せなことなのだ。
「やっぱ五条先生の同級生？お姉さん名前なんつーの？」
お姉さん、なんて言っているがもちろん今は虎杖の方が歳上だ。だが、やはり以前歳上だった人を歳下のように扱うことは虎杖には出来やしなかった。
「八雲Aです。よろしくね」
八雲は柔らかい笑みで彼らを迎えた。
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あお - 間の開け方とか言葉選びとかすごい良かったです！！ (2022年8月28日 20時) (
レス) @page18 id: c1da01ed72 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 呪術師側のイカれ具合とか、ヒーローに対する嫌悪とか、全て大好きです。 (2022年1月2日 15時) (レス) @page50 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
あかし - あくまで私個人の感想です。書き方やオチ希望してる方がいますがこれは作者様の作品です。書き方も展開も終わり方も全て作者様の自由です。私はこのままの作品が好きですし、作者様の自由にして下さい。言葉選び、文脈全てが大人で素敵です。これからも応援しています。 (2021年8月7日 14時) (レス) id: 9951821a6a (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年2月11日 11時
