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「…いいじゃん。格の違い見せつけちゃえば？」
「て訳で、行こうぜ、傑」
「いや、だから」
「あれ、もしかして負けるのが怖い？」
「はぁ？」
追い打ちをかけるように八雲は言った。
「悟に負けるのが、怖いんだ」
「そんな、わけ、ないだろう」
「じゃあ行きなよ」
「Aは？どーする？」
「私面倒臭いからパス」
違う、そうじゃないんだ。
反論したくても、言葉には出来なかった。
分かっていた。目立ったからと言ってヒーローになることが決まる訳では無い。
でも、どうしても、目立ちたくないんだ。それなのに、何故。
「よーし、悟クン本気出しちゃう」
「出さないで、死人が出る」
「行ってら〜」
八雲がひらひらと手を振るのを横目に呪霊を飛ばした。
五条はトばなかった。
それでもやはり、夏油の遥か前にいた。
一方、雄英高校体育祭に見に来ていたとあるヒーローは彼らの異常性に息を飲んだ。
そのヒーローの目的はあくまでA組だった。
ヴィラン連合を相手したというA組を見ることを楽しみに今日、やって来たのだ。だが、今彼が注目するのはA組では無かった。
彼らはA組では無い。轟の個性を知っていた可能性もあるが、無いとしたら、一瞬の空気の振動を掴んだのだろうか。
そして、あの個性はなんだ。なぜ、あそこまで飄々としている？
なぜ、自分は畏敬を感じている？
横にいたサイドキックが自分に聞いた。
「…彼ら、どうしますか？」
「……いや、彼らは、辞めよう」
下手したら、オールマイト以上かもしれない。
ー
「え、ちょ、今の！五条先生！」
「むっかつく！相変わらずイケメンなのムカつく！」
かつての教師を見つけたことに喜ぶ者二人。
「今、のは」
その教師の横にいた人物に、驚きを隠せない者一人。
「五条先生の友達かな、やっぱつえーな」
「てかさっき一緒にいた女の子誰よ。あの超可愛い子！」
「なあ伏黒、あの人たちも呪術師？」
「…いや、」
「？なによ」
見覚えがないわけが無い。
額の傷は無いが、彼は間違いなく呪詛師の夏油傑だろう。
その人が五条先生といる。
夏油は五条を封印した人物だった。二人の仲がいいはずがないのに。もしかして、同級生だったのだろうか。それに、あの女の人も分からない。
伏黒は五条とは長い仲だと思っていた。
でも、実際、自分は五条悟について何も知らないようだった。
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あお - 間の開け方とか言葉選びとかすごい良かったです！！ (2022年8月28日 20時) (
レス) @page18 id: c1da01ed72 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 呪術師側のイカれ具合とか、ヒーローに対する嫌悪とか、全て大好きです。 (2022年1月2日 15時) (レス) @page50 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
あかし - あくまで私個人の感想です。書き方やオチ希望してる方がいますがこれは作者様の作品です。書き方も展開も終わり方も全て作者様の自由です。私はこのままの作品が好きですし、作者様の自由にして下さい。言葉選び、文脈全てが大人で素敵です。これからも応援しています。 (2021年8月7日 14時) (レス) id: 9951821a6a (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年2月11日 11時
