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はず、だった。
「ふーん、5本触れたら発動するんだ。君の個性」
触れられない。何かが五条と、死柄木の間にあるようだった。
しかし死柄木にはそれが分からない。
触れたはずだった。それも、確実に。
「君さ、動きは遅いし目線が腕に向きすぎ。何やろうとしてんのかバレバレ」
「…ッ！」
「おっと、急に逃げんなよ。別に君をどうこうしたい訳じゃない。僕は女の子が好きだしね！」
「な、んだ、お前は」
「ん？僕はしがない生徒さ。別に君の敵じゃない。あ、もちろん味方でもないけどね」
「…は？」
「君が何をしようと止める権限は無いってこと」
五条は別にこの男がヴィランだろうがヒーローだろうがただの一般人だろうがぶっちゃけどうだって良かった。
大事なのはこちら側かどうか、だ。
五条はここで新しく友人を作る気なんて毛頭なかったし勿論どこかに所属するつもりも無かった。酷なことに、緑谷だって五条にとってはあくまでも興味対象だった。
ヴィラン、ヒーロー、一般人。
どこにも五条は属さない。それは彼らも、だ。
どこの味方にもならなければ、敵にもならない。そこらの抗争に首を突っ込む理由などどこにもなかった。
「何、言ってんだ。お前」
死柄木は理解が出来なかった。
雄英の生徒だろう。なぜヒーロー志望の生徒が今ここで呑気に自分と話しているのか。しかも、止める権限が無いだと？何を言い出している。
死柄木は男に触れられなかったというのに男はしっかりと死柄木の腕を掴んでいた。もう、頭がパンクしそうだ。
「若人から青春を取り上げるなんて許されていないんだよ、何人たりともね」
そいじゃまたね〜、と未だ呆けている死柄木を置いて五条は再びトんだ。
目の前で消えた五条に、ますます死柄木は頭を悩ませることとなった。
「おー、五条おかえり」
「ただいま…って、何お前ら先帰ってんだよ」
「まあまあ。それよりも、本当に侵入したのは記者だったのかい？」
「な訳あるか。発展途上の悪ガキだったよ」
「…それ悟じゃん」
「は？僕が悪ガキなわけないでしょ。てゆーかA、お前1番裏切ってたのわかる？僕のこと傷つけたのちゃんと分かってる？」
「え、ねぇこれ美味しそうじゃない？食べに行こうよ」
「おい聞いてる？え、美味そーじゃん」
「…ちょろ」
「ちょろいね」
八雲とスマホの画面を覗いてはしゃぐ五条に家入と夏油は遠い目をした。
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あお - 間の開け方とか言葉選びとかすごい良かったです！！ (2022年8月28日 20時) (
レス) @page18 id: c1da01ed72 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 呪術師側のイカれ具合とか、ヒーローに対する嫌悪とか、全て大好きです。 (2022年1月2日 15時) (レス) @page50 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
あかし - あくまで私個人の感想です。書き方やオチ希望してる方がいますがこれは作者様の作品です。書き方も展開も終わり方も全て作者様の自由です。私はこのままの作品が好きですし、作者様の自由にして下さい。言葉選び、文脈全てが大人で素敵です。これからも応援しています。 (2021年8月7日 14時) (レス) id: 9951821a6a (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年2月11日 11時
