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「ここにいるの、私たちだけ？」
亜麻色髪の少女──八雲Aは辺りを見回すように問う。
彼女こそ、上層部によって殺された少女であった。
八雲は、強い少女であった。
しかし、夏油の、友の離反はそんな彼女を憔悴させるのに十分な素材であった。
そして何より、その重荷を夏油の親友であった五条にのみ負わせてしまったのが何より辛かったのだ。
いつも飄々としていた彼の弱りきった姿は、見ていられなかった。
八雲は、優しい少女であった。
その弱さに漬け込んだ上層部が、彼女を始末しようと動いたのだった。
上層部と五条は仲が悪かった。
五条への嫌がらせのつもりで、たったそれだけの理由で彼女は殺されてしまったのだった。
「いや、この前夜蛾センセー見っけた」
「へえ…って、五条、もう携帯持ってんの？」
流石は五条家。
彼の手には小学生が持つのには早いであろう薄い機械があった。これだから坊ちゃんは、と家入はため息をついた。
液晶画面を五条の隣にいた八雲は誰よりも早く覗いて、そして真っ先に声を上げた。
「プロヒーロー、ヤガ…え、あの人ヒーローしてんの？」
「あと、これも」
「イ、イタドリ？って、だれ？」
「イタドリって、虎杖か？」
「イタドリ…？」
八雲は聞き慣れない名前に首を傾げ、家入はあの明るい少年を思い浮かべ、夏油は「はて、どこかで聞いたな」と首を傾げていた。
五条はニッ、と八雲に笑いかけ、自慢げにこう言ったのだ。
「これ、僕の教え子」
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あお - 間の開け方とか言葉選びとかすごい良かったです！！ (2022年8月28日 20時) (
レス) @page18 id: c1da01ed72 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 呪術師側のイカれ具合とか、ヒーローに対する嫌悪とか、全て大好きです。 (2022年1月2日 15時) (レス) @page50 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
あかし - あくまで私個人の感想です。書き方やオチ希望してる方がいますがこれは作者様の作品です。書き方も展開も終わり方も全て作者様の自由です。私はこのままの作品が好きですし、作者様の自由にして下さい。言葉選び、文脈全てが大人で素敵です。これからも応援しています。 (2021年8月7日 14時) (レス) id: 9951821a6a (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年2月11日 11時
