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「D組にとんでもない1年が現れた」
その噂に頭を抱えるのは彼らの担任であった夜蛾だった。
くそ、普通科か、そう来るか。
いつも、そう、いつの時代も彼らは夜蛾の予想の斜め上を行くのだ。
夜蛾が
なんとなく、彼らが来るような気がしていたのだ。
かつて呪術界をはちゃめちゃにした虎杖が、五条が、きっとここに来るであろうと。
夜蛾の予想は外れていなかった。
教師を務めて数年経った頃、彼らは次第に集まってきた。
ただ唯一の誤算が、やって来た順番だ。
はて、どういう事だろうか。
彼らは現れていいはずなのに、現れているはずなのに今ここに通う生徒は虎杖や伏黒、釘崎
夜蛾の思考に決定打を賭けることになったのは虎杖たちが入学した翌年の新入生だった。
禪院真希、狗巻棘、パンダ、乙骨憂太。
夜蛾は成程と頷いた。年齢が、逆転していたのだ。
では何故自分はそうならなかったのだろうか。
ここで夜蛾は一つの結論に辿り着いた。
もしかするとこの逆転は、五条の代を軸に起こっているのではないか、と。
彼らが高専に入学した時点で自分はもう教師の立場であった。
五条の代を、彼らの運命を変えることになったあの夏を軸に、反転しているのではないだろうか。
夜蛾の胃を幾度となく痛めつけたあの彼らを。
なるほど、だから当時既に学生の立場を抜けていた夜蛾や、九十九等はそれに巻き込まれなかったのだ。
彼らの後輩に当たる人物はみな彼らよりも年上だった。
事実、今は彼らの先輩として、後輩であったはずの七海や灰原が居た。
夜蛾はひとつ、ため息を吐いて痛くもないはずの胃を摩るようにお腹を撫でた。
D組のとんでもない1年──一人は今年の目標として人間の解剖を上げ、一人は宜しくも言わずに名前だけを言って自己紹介を終えたと聞いた。
やはり、夏油と八雲は自分を隠すのがうまい。
人形を縫う手を止めてひとつ、溜息を零した。
校内には、「1年D組、家入硝子さん、夏油傑くん、五条悟くん、八雲Aさんは至急生徒指導室へお越しください。繰り返します…」と放送が掛かっていた。
生徒指導室──それは、
帰りに、ドラッグストアでも寄ろう。
胃薬を買おう。
夜蛾はそっと、これからの予定を決めるのだった。
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あお - 間の開け方とか言葉選びとかすごい良かったです！！ (2022年8月28日 20時) (
レス) @page18 id: c1da01ed72 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 呪術師側のイカれ具合とか、ヒーローに対する嫌悪とか、全て大好きです。 (2022年1月2日 15時) (レス) @page50 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
あかし - あくまで私個人の感想です。書き方やオチ希望してる方がいますがこれは作者様の作品です。書き方も展開も終わり方も全て作者様の自由です。私はこのままの作品が好きですし、作者様の自由にして下さい。言葉選び、文脈全てが大人で素敵です。これからも応援しています。 (2021年8月7日 14時) (レス) id: 9951821a6a (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
天宮 - 誰が喋っているのか聞いてくれないとわかりません。 (2021年6月28日 8時) (レス) id: 453c097156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年2月11日 11時
