CAFE&BAR eight - ∞ (ページ3)

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職場のカフェバーまでは、家から歩いて5分くらい。

こんなに近いから、横山くん含めた同僚からやたらと頼られる。

仕事は嫌いやないし、ええんやけど。

引っ越す気もないしな。

どれだけちんたら歩いても、5分で職場に着く。

店の前のベンチには、鍵の到着を待つ横山くん。

そのベンチの横には、雨風にやられたのであろう、倒れた鉢植え。

緑「おはよう」

黒「ごめんな、大倉」

緑「もう、鍵もやけどな、鉢植えもやで。いい加減にしてや」

黒「スミマセン」

店内に入って、机の上に乗せた椅子を一通り下ろす。

適当な席に座って、横山くんのせいで食べ損ねた朝飯を食う。

サンドイッチを頬張りながら、店内を見回す。

広めな店内には、カウンター席と、テーブル席がいくつか。

店の奥にはステージがあって、バンドセットが備え付けてある。

店の中でこうやって、ゆっくり過ごすのは久々かもしれん。

家が近いことをいいことに、ギリギリに来るからなぁ。

黒「大倉」

顔を上げると、俺の側に立った横山くんが、机に小皿を置いた。

皿の上には、チーズケーキが一切れ。

黒「お詫びや」

それだけ言うと、カウンターの中へ戻っていく横山くん。

どこに照れたんか知らんけど、耳が真っ赤や。

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