▼二幕 ページ9
.
栓を見ると､メーターはギチギチと音を立てて､今にも吹き出しそうだった｡
リオセスリが後からやってきて､空達に『禁域』の説明をしているようだ｡
『水の下』は先代水神レゲリアの慈悲で作られた｡
レゲリアは言った｡
『どうか、海の底で私の秘密を守って…』
太古の約束は今も終わりを告げることなく稼働している｡
予言のその時までずっと｡
｢見せたいものがある｡Aちゃん､お暇する｡邪魔をした｣
｢ええ｣
これ以上入ってはダメだという印の手すりに肘をつき､終わりを静かに待った｡
____________
空は『禁域』の調査を終えると､医務室へと足を運んだ。
リネは着々とこの物語の真相を紐解いていた｡
先刻､リオセスリから受け取った情報を､そのままリネ達へと提供する｡
そこには罪悪感などなにもなく､ただの情報交換といった流れだった｡
話の大筋が終わると､リネットが言う｡
｢言い忘れてたこと､あるんだけど…｣
そういう彼女にリネらは耳を傾けた｡
｢Aが…スパイだった…｣
まあ十中八九そうなのだろうと考えていた空である｡
だが､リネの衝撃は止まることを知らなかった｡
｢俺も､禁域で彼女を見かけた｣
｢そんなこと､あるはずが無い！｣
同時に放たれた二つの声は､医務室をこだました｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マニ。(プロフ) - 頭痛さん» ✉️。はい！これからも頑張ってね！頭痛ちゃん！これからもファンの一人として応援してる！💝 (1月2日 16時) (
レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こっちの作品もとても面白い！！💝、最高尊すぎる…これからも頑張ってね！頭痛ちゃん。☺️ (1月2日 11時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：頭痛 | 作成日時：2023年12月3日 18時
