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全面戦争終盤。
仲間たちを逃がすため、圧紘は一世一代の大勝負に出た。
自身の身体を抉った経験など勿論ない。とてつもないほどの痛みが襲ってくるかと思いきや、アドレナリンが出ているのか、むしろ身体が軽いとさえ感じた。
あいつらを逃がして、きっと俺は死ぬんだろう。それでも良いと思った。世直しは俺じゃなくてもできる。死柄木が、仲間たちが意図せぬ形で圧紘たちの悲願を果たしてくれることだろう。
自傷とも思える圧紘の行動に愕然としたヒーローたちが我に返った頃、突如としてこの場にそぐわない明るい声が空から降ってきた。
「魔法使いのおにいさーん！！」
誰もが驚き、突然の乱入者がどちらの味方か見極めようとする。
死柄木の個性を回避するために浮くことができる個性持ちならヒーロー側。ボスのピンチに派遣された解放戦士なら連合側。しかし、答えは出なかった。なぜなら両者ともに全く知らない顔だったからだ。
「なんっ、掃除機、いや、誰なんだよね！？」
ミリオが突っ込んでしまうのも無理はない。空から現れた少年は、掃除機に跨っていたのだから。
ところが少年はミリオの声を無視して、真っ直ぐに圧紘の前へと滑ってきた。
「帰ってきたよ久しぶってギャーっ！！なにこれ穴ぼこじゃん！生きてる！？」
「えっ誰」
「うっわそっちのおにいさん全身焼けてるじゃん魔女狩りにでもあったの！？」
「あ？」
「エ"ッちょっと魔法使いのおにいさんダメじゃん！魔法生物はマグルの世界に持ち込み禁止なんだって習わなかった？」
「…俺のことか？」
「ってワー！！おじさん燃えてるよ！！！」
「ブッ」
最後にエンデヴァーにどこから出したのか大量の水をぶっかけた少年は「とにかく手当てしなきゃ」と圧紘たちを集め、ポンッと気の抜けるような音を残して消え去った。
・
「何が起き…ってウォーーー！！？なんでエンデヴァーまで連れてきた！？」
「！？オッおにいさんっあの魔法生物喋るの！？」
「スピナーな！あとあのおっさんはヒーロー！！敵だよ馬鹿野郎！！」
「敵なの！？燃えてたのに！？」
「どういう判断基準だおまえ！！」
ギャーギャーと騒ぐスピナーと見知らぬ少年を圧紘、荼毘、死柄木、エンデヴァーは呆然と見つめる。
やがて、よくわからんが敵とカウントして良いらしいと判断したエンデヴァーが炎を出して立ち上がると「ア"ッおっさんが火ィつけたのか！」と木の枝を振ってエンデヴァーを消してしまった。
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緑猫(プロフ) - しらないさん» ご返信が大変遅れました…！申し訳ないです！コメントありがとうございます！！思いついたときにこそこそ書き溜めていけたらと考えております＾＾ (2021年12月29日 0時) (
レス) id: dd1c3e784a (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 面白い。好き (2021年12月22日 14時) (レス) @page4 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2021年12月16日 21時
