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結局、お義父さんと黒霧の説得によりAは最後のほうにちょびっとだけ顔を出すことになった。
黒霧とは全身がモヤモヤの紳士だ。Aは密かに「モヤ紳」と呼んでいる。もちろん口に出したことは無い。
彼の個性は「ワープゲート」で、その名の通り離れた空間同士を繋ぐことが出来る非常に便利なもの。この個性のおかげで、Aは自宅にいながら遅れて参加することが可能だ。
ゲートが開いたら来てください。
そう言い残して去っていった黒霧に感謝をしながら、Aはふんふんとご機嫌に鼻歌を歌いながらモップで瓶に積もった埃をはらい始めた。
弔のこと？怒ってるわけないだろ。去り際にむずむずと唇を動かして居心地の悪そうだった義弟を見て、思春期って可愛いなあとニコニコしたほどだ。
Aは素直になれない義弟が大好きなブラコンだった。
・
それから少しして、約束通り開いたゲートを潜ったAは出た先の景色を目にするより早く、身体に強い衝撃を受け、続いて銃声が耳に届いた。
ダァン！
見事に脳天をぶち抜かれたAは死んでしまった。
背後に現れた義兄がおでこから一直線に血を吹き出して背中から倒れていく姿に、弔は顔に張りつけたお父さんの隙間から目を見開く。
施設の入口で弔を撃ち抜いたヒーローが戸惑っているが、気にする余裕はなかった。
「っAに、……A！！」
弔の身を切るような叫びを受けたAは腹筋に力を入れて、重力に従いゲートに突っ込んだ上半身をぐいーんと戻した。
口をへの字に曲げて不機嫌そうな顔をしたAは、キョロキョロと周囲を見回す。
そのおでこに一切の傷はない。
「＿＿＿デク……？」
爆豪、轟、オールマイトと視線を移して緑谷に止まったAは、ぽつりとその名を呟いた。
「デク」を知らない弔はその名に首を傾げながらも義兄の個性にホッと安堵の息を吐き、「デク」及びその名を知る者たちは瞠目する。
オールマイトが倒した脳無と同じく「再生」の個性を持つ少年は、もしや新たな脳無だろうか。ならばまずい。オールマイトは既に活動限界時間を超えている。
1歩も動くことができない平和の象徴は、冷や汗をかきながらAと呼ばれた少年を睨んだ。
しかし、ヒーローたちが現着した場に不利を感じたのか「……いや、いまじゃなくていい。帰ろう」と弔の手を引いてゲートの中に消えていった。
(えっなんで主人公と可愛い可愛い弔が対峙してるの？バグ？世界バグってる？)
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緑猫(プロフ) - しらないさん» ご返信が大変遅れました…！申し訳ないです！コメントありがとうございます！！思いついたときにこそこそ書き溜めていけたらと考えております＾＾ (2021年12月29日 0時) (
レス) id: dd1c3e784a (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 面白い。好き (2021年12月22日 14時) (レス) @page4 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2021年12月16日 21時
