自由の翼を授ける男【掃き溜めの星】

死 ページ6

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拝啓、翠 斎槻様。


よー、元気でやってるか？……死んでるやつに言うのも変だな。
ちゃんと死んでるか？……なんか変だな。まあいいか。

まったく、お前がこっちからあっち(・・・・・・・・)に行ったせいで、じじいが俺しか居ねえじゃねえか。
……じじいって言うなって？ははっ、初めて会った時もそう言ってたよなぁ？懐かしいぜ。


で、だ。


何のために俺はコレ書いてるか分かるか？
……自慢だよ、早とちりしてそっちに行ったお前への自慢さ。性格悪いのは今に始まったことじゃねえだろ？


まずだ。あの唐揚げが嫁だとかほざいてる片耳の元敵のあいつ。

あいつよ、なーんか子供っぽくなっちまった。いや、前からガキはガキなんだけどさ。まだピーマンすら食えてないらしいぜ。ガキだよな。

『なんでも叶えられる目』になってるんだよ。夢や希望を抱く、ひとりの子供になった。
自制も多少は出来るようになってるし、小学生から中学生くらいにはなったな。


次だ。お前が心中候補にしてた、白髪の俺らのボス。

あっちは成長したぜ。何せ、ちゃんと野菜を食うようになった。……ガキ扱いしすぎだって？いやこうでも言わないと食わねえんだもん、野菜。

ダイヤはダイヤにしか砕けないっていうか……似た者同士のアイツらで、組み合わせは悪くないと思う。剣士の自由さについていけんのはミルクしかいねえよ。


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最後だ。俺の……いや、俺たちの話。

少年医療教育院。俺の育った、地獄みてえな場所。
あそこを改造して、学校にしてやった。……いじめなんて無いよ、あんな街をみた子供がそんなことできるわけないだろ？……ま、ちゃーんと見てるから。何かあれば系動脈を締めr…あ、ダメ？


あそこで、未来を作る子たちに伝えてるんだ。
やりたいことを成すための、方法を。



どうだ？これが、今んところの俺らの理想の世の中だ。

今んとこは幸福だし、別に思い残しもねえ。
だから、お前の居ない世界もつらくなんか無えよ。



……忘れねえからな。
お前と喧嘩したこと。一緒に受けたげんこつ。一緒に部隊の隊長に昇進した時の気持ち。
俺たちと話してる時の、“ 仮面 ”がたまに取れた時の顔。


そっちから見ててくれよ、
俺らなりの正解を導き出して、お空にVサインでも送ってやるからな。楽しみにしてろよ？



じゃあな、また来世くらいに会おうぜ。


_fin

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