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「…………ここは……」

次に彼________翠 斎槻が目を覚ましたのは、白の色で統一されている画一的な空間だった。
見覚えのない未知の空間で寝かせられ傷の手当てをされたことに気づいた彼は、想定外だったとばかりに舌打ちをして目を泳がせた。すると、いつしか姉の教科書で見た医療用の器具が多く置かれていることに気づく。___なるほど。斎槻は理解した。

ここは、医務室だ。
設備は完璧とはいないが、そこらの地域の病院くらいには整っている。きっと組織が大きくなるにつれて、もっと素晴らしい設備になるだろう。
極め付きは、ぼんやりと覚えている丁寧とは言えない口調からは想像もつかないほどの手当ての丁寧さだ。ああ……この組織の医療部隊は自分の本当の目的に非常に目障り(・・・)になるだろう。

そこまで考えた時、ガチャッと音を立てて自分よりは背の低くひょろりとした男が入ってきた。目つきは悪く近所の子供なら速攻で泣きそうな顔つきで、着崩した服と白衣がより一層危険さを表している。ガラの悪い男はこちらに目を向け、少し驚いたように見開いてから言った。

「お、気がついたか。
……ったく手間かけさせやがって、入って早々喧嘩売る奴なんてほとんど居ねえぞ。」

相手は椅子に深く腰掛け、足を組む。利き足が上になってるからリラックスしているのだ。包帯まみれの重症な自分を見てリラックスというのも変だとも思ったが。

助けられたことには不満だが、そうでもなければ自分は死.んでいた。
丁寧な治療を施し救われた恩人にも礼を言わぬほど失礼になった覚えはない。

「……悪かったな、感謝する。」
「ん、大丈夫なら良し。……お前、二十歳超えてるか?」
「ああ、二十四だが。……何か問題でも?」

突然すぎる質問に、少し顔をしかめる。
彼は少し目を細めてから目を閉じて、笑って言った。

「いや、俺も同い年でな。二十歳超えてる奴って少ねえから、光栄だよ。じじいが増えてな。」
「誰がじじいだ。初対面なのに失礼な奴だな、礼儀を知らないのか?」
「いいや、わざとだ。悪いな、育ちが悪いもんで」

自分のことを卑下する言い方が引っかった。知りたいと思った。
だから、自分の口を切った。



「まぁ、僕はそんな家庭にうんざりして、死.にに来たんだけどね」



_________この判断を、のちに心から後悔することになる。

参→←----番外編 翠斎槻の痕跡---- 弌



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松宮カナメ(プロフ) - くろせさん» わあ!!ほんとボロクソ言ってすみません!!!ありがとうございます!! (2019年5月7日 22時) (レス) id: eb873f1f0d (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - どうも小学生から中学生になった唐揚げが嫁な奴の親です← 剣士使って頂いてありがとうございます!更新、楽しみにしてますね! (2019年5月7日 21時) (レス) id: c00e49c93d (このIDを非表示/違反報告)
松宮カナメ(プロフ) - 十二月三十一日さん» ワァァ、ありがとうございます!!いつか書きたかった話なのですごく嬉しいです……!こちらこそステキなキャラクターをありがとうございます!ぜひ書かせていただきます! (2019年3月16日 22時) (レス) id: eb873f1f0d (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - お久しぶりですね。ウチの斎槻を使って下さり有難う御座います。久し振りに巡回していたら、まさかの番外編に思わずにやけてしまいました。理想的過ぎる展開でびっくりしました。未だに感激しております。次のお話、楽しみにしております。 (2019年3月16日 20時) (レス) id: 825c15ca49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松宮カナメ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年7月2日 0時

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