＊ ページ16
「ええええ、面倒くさぁい。私はものづくりしか出来ない凡人さんですから嫌ですう、そういうのは情報機関の方とか…アアーッ能力のことは話に出すなって言ってるじゃん！！ 眞杜に聞かれたら私、どうしたらいいか……っあ〜〜〜眞杜、おはよお〜今日もうん、すごく可愛いよぉ。可愛いから、うん、姉ちゃんの秘密の恋は探らんとこうね〜〜！！！……………はあ」
「え、“バカだと思ってた？” アハハ、褒め言葉ですね！それは、私があなたの知能レベルに合わせて会話ができてたってことなので。私は脳ある鷹なのですよ、貴方のように人を見下すことを露呈する愚者ではありません♡それでは♡」
「じゃ！私も暇じゃないので！ 定時退社サイコー！」
「はあーーもう酒しか勝たん。眠れない夜には酒だよな。眠れる夜も酒だけど！」
「そんなに考え込まなくて良いんじゃない？ 話なら聞くよ。私は君にはなれないし、君は過去には戻れないけど、ゴミ箱にはなってあげるからさ。一回深呼吸する？ なーんてね」
「出たーー！人生を自分のものって思ってる奴！ 否定はしないけど分かり合えないわ。私があんたの脇役であったことが幸いだわ」
「え。あの事ですか？ もうね、完全にタイミング逃したんだよね。お陰で私は見事墓場まで持っていくしかなくなりました！見事に！あはは、クッソ！」
「私を風と喩えてくれる人はたくさん居るけれど、最近思うんだ。私が風を起こしているんじゃなくて、風を気づかせる穴を空けているのが私なんじゃないかって」
「魔法？ 気づかれたのは、まあ生まれてからすぐだねえ。うちの両親は幸運なことに、裕福で一定以上の常識と寛容さがあったから、私を真っ当な子どもに育ててくれたよ。……だからこそ。私がイスカリオテであることを、隠したんだけどね」
「結果はまあ分かるよね？ 現在まで眞杜にはミリも知られていない。原因は明確だ。隠すのに都合の良い条件だったから。私の紋章は腰にあって見えにくく、あと性別が別だったから。理性が持てるようになってから、適切な魔法の使い方を教えてくれる相手に稽古をつけてもらえたから。
まったく幸運なことに，出来損なっているのは私の底意地だけだというわけ！」
「皮肉なものだね。最高傑作はいつでもぎりぎりで生み出されるの」
「あっはっはっは！ 全く、ずうっとあなたと居られたら毎日疲れないで済むのになあ。ねえ、多分これが恋だよ。だって私、」
「貴方に忘れられたら……耐えられないよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：松宮カナメ | 作成日時：2022年7月28日 1時
