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【性格】
天上天下唯我独尊を地で行く、勝ち気で奔放な俺様。
意地が悪く、人を揶揄うことを生業とする極悪人である。盗み聞きした人の不幸に高笑いをして、口をひらけば軽快な調子で人を詰る、この世の悪を詰めて生まれてきたような性格。仕事においては殊更その性格が出ており、罪人や部下を徹底管理して、優位に立つ仕事を心から愉しんでいる様子。そのくせ、自分のことについてひどく適当で、自分の位置に胡座をかいているように見える。広い魔法省でも悪名高い、最低最悪の魔法使いである。
しかし、彼の本心を掴むべき真髄は、悪辣さとは無縁の、極めて静かな思考空間にある。助けが必要と判断すれば、誰であろうと手を伸ばし、助け出す。不安を語る誰かがいるなら、悪態混じりにも真剣に話を聞く。
彼は、いつでも冷静である。まるで第三者の視点から物事を見つめるように、どんな状況下においても先を見通し的確な判断をする能力があり、けっして嘘はつかない。彼の元にある勤勉な精神はいつでも正しく、守りたいものを守るために最大限に作用する。たとえ自分が悪役になったとしても、たとえ自分の場所が間違っていると否定をされても、彼は自分の持つ正義に準じ続ける。考え続ける彼から放たれる、荒れ狂うような真実は、人をもう一歩先へ進めるための原動力となるのだ。
事実、彼を好く人物は極めて少ないが、彼を頼る人物は数多く存在する。適当に生きているようで、その全ては自己の導く正義と理に適っている、複雑な存在。天才と言って相違ないが、そう一言で表すには、彼の人生には与えられた受難が多すぎる。冷静さを欠くに足る出来事が多すぎる。だからこそ、小さなことでは動じない。嫌われることも疎まれることも、彼の脅威にはなり得ない。
ただ、彼が守ると決めた人間に不用意に触れることは推奨できない。彼の一挙手一投足は己の誓う正義の為にあり、その正義の名の下に守ると決めたその人を幸せにする為なら、自らが囚われる身になろうとも構わず、どんなことでもする。彼を敵に回して利を得ることは無いと思っていい。
彼は根っからの性悪でありながら、正義の使徒である。正しさで縛られているのは、罪のベールを被っているのは、罪人か、ルース本人か。その答えは、神のみぞ知る。
【役職】魔法省治安維持課 監獄管理科・科長
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作者名：松宮カナメ | 作成日時：2022年5月21日 0時
