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「……よかった!お前と意見が一致できて嬉しいよ。良い友達になれるぜ、オレたちさ。この傷治ったら、一緒にどっか遊びに行こうぜ!」
「ふふん。オレのおかげで、綺麗に治ったでしょ。感謝してくれてもいーんだよ、この天才ブルーノ君にね! よかったよ、君が歩けるようになって」
「エッもしかしてこのブランド好き!?ウワ一緒〜〜!!! えっねえねえこの前の新作見た?? オレ最高すぎて何買うか一生迷ってるんだよね。いや〜お金あれば全部買ってたけど、貯金しなきゃだし研究にもお金使いたいし……え、今度の個展一緒に行かねえ!? ここで会うのもなんかの縁だろ!連絡先教えて〜!」
「……オレの眼を見て、誓って。二度と、こんな風に自分の身を傷つけないって。そうじゃなきゃ、オレはお前を許さない。絶対に、絶対にだ」
「あ、オレそれ出来るよ!実は、医者よりこっちの方が本業なんだよね。同じドクターでも、サイエンスの方。もっと言うなら、テクノロジーの方。こういう単純なおもちゃなら多分〜、ここの線が切れてて。で、これを色々接着して直せば……ほら!戻った!動くようになったよ。 えへへ、お礼には及びませんよ〜。すべきことをしただけだしね」
「こら!無理に動こうとすんじゃねーよ。傷に響くだろ? ったく、お前が動くとオレが怒られんの!わかる? 言うこと聞けよ。歳なんか関係ねーの。オレはお前の“センセー”なんだよ。ちゃんと分かって?」
「オレ、実力行使って嫌いなんだよね。なんでかっていうと、オレがそれされるとムカつくから。オレを抑えられるって分かってて潰されてるってことだしね。だから基本、オレは人に優しくしたい。誰も傷つけたくねーの。……でもさあ、こんなに言っても、言うこと聞いてくれないなら、」
「捻じ伏せる他、ないよね。だって、お前が悪いんだから」
「殴ったお前が悪い。殴られたあいつは正しい。側から見れば、そうなっちゃうんだよ。絶対に、お前が悪い。で、オレは、正しい方に優しいオレで居たいんだ。お前が正しくなってくれるなら、罪を罪として認めてくれるなら、オレは、お前とちゃんと友達になれるよ」
「『騎士団っぽかった』? アレ〜〜…やっぱ、育ちが育ちだからかな。ごめん。オレの平等には、ちょっと私見が入っちまうな。気をつけるよ。できるか分かんないけど」
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作者名:松宮カナメ | 作成日時:2022年5月21日 0時