走れ、僕ら。【企画設定集】

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【その他】

家族構成は父、母、姉。遊から見て祖父に当たる時代から続く商店街の一角にある小さな中華料理店で生まれ、とくに裕福でも貧乏でもない家庭に暮らしていた。活字が苦手なのに西遊記が好きなのも、お店に置いてあった子ども用の西遊記が最初。いつもお客さんと笑顔で一緒に居る両親を見て育つ。仮想現実がちょうど流行り始めた時期に合わせて始まった配達サービスにいち早く順応したため、割と初期の段階から美味しい店として地味に評判。

父は堅物で昔ながらの頑固・義理堅さを持ち合わせた所謂「昭和の親父」で、お母さんは「大阪のおばちゃん」のイメージそのまま、姉は「何やってんの」と言いつつ止めずに面白がる血気盛んな家族であった。勉学の冴えない中高時代は父とよく取っ組み合いの喧嘩をしていたらしい。「うるせぇクソ親父！あやっべ遅刻する！行ってくるわ！！」「んだとクソ餓鬼、おい！！逃げんじゃねぇバカ！！」という毎朝の喧嘩は商店街で風物詩だった。

遊が高校生の頃に、三日間お店の前で土下座して「弟子にしてください」とお願いする熱心な後継者が見つかる。最初は難色を見せていた両親も現在はその後継者を実家に住まわせ息子のように可愛がっている。遊も彼を兄のように慕っていて、仲が良く一緒に登山に行ったり一緒にお酒を飲んだりもする。姉は実はその人のことが好きだったりする。

姉は「結(ゆい)」と言い、台詞の通り姉は最近流行りの仮想現実依存症の患者。現在姉と二人暮らしで、姉は二十七歳。症状が出たのは高校生の頃の事故で足が使えなくなってから。活発で活動的だったが、今はずっと部屋に篭って基本仮想世界での会話にのみ反応するようになっている。仲は極めて良好。会話ツールではちゃんとコミュニケーションが取れているし、食事の時はちゃんと一緒に過ごしている。よく「姉貴が彼女彼女ってうるせぇ」とうんざりしている時もしばしば。しかしやはり健康とは決して言えず、拒食症気味でガリガリ。少しでも食べやすいものを、と料理を作ることになった。
ただ、姉が彼を拒んでいたら、姉がもうこの世に居なかったら…今いる場所は違っていたかもしれないとは、確実に言える。

ちなみに姉が実家から離れたのは自分のことで迷惑をかけたくない、と東京の外れで一人暮らしをしたのがきっかけ。数年後に遊も上京しØ課で働き始め、じゃあ一緒に住もう、となった。

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