殺し屋にはなりたくないので救済します【名探偵コナン】

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この世界に来てわかったことがいくつかある。







ひとつ、まだどちらの作品とも原作は始まっていないということ




これについてはかなり助かった。

JCC時代、工藤新一について調べても一件もヒットしなかった。

つまり、救済までかなり時間があるため猶予ができ、色んな準備はさせてもらった




しかし、警察学校組のキャラに誰一人会えていない、というのが難点だ








そしてふたつめ、私はお金持ちだということ！！！！



いやぁ〜、まさか莫大な遺産が銀行口座に入っているとは思わなかった






まだ高校2年生だけどびっくりしちゃったよほんとに。













でも今って原作の何年前なんだろうか





そんなことを悶々と考えているとポケットの中に入っていたスマホが震える



取り出して確認してみると、それはネットニュースの通知だった





【藤峰有希子の電撃引退から10年経った現在、彼女は今どこでなにを！？】











ん？











見間違えか、うん。


もう一度画面を見るがその見出しは変わらないまま





つい手に力が入ってしまいパキッと音がする


あ、やっちゃった。これでもう何台目だろ




道行く通行人が私の腕力に目を見張っている











ハハ、笑えない。



おいっ！！原作が始まる7年前じゃねぇか！！



11月には萩原研二、彼が亡くなる事件が起こってしまう







いや、落ち着け。まだ3月、11月までは時間がある








私が彼らを助けるうえで一番優先すべきこと




それは「いかに原作に関わらせずに助けるか」だ。








私のせいで原作が変わってしまう、ということは何としても避けたい















「あ、あのスマホ割れちゃってますよ……」







『……………』







「あの〜…………？」








だから………





『……行くか、シンガポール。』







「へ？」






『あ、すいません。独り言です。スマホ壊すのは日常茶飯事なので慣れてます

　ご心配おかけして申し訳ない』











私に声をかけてくれた人はポカーンとして動かなくなってしまった



その人を置いてスタスタとその場から離れる











これから忙しくなるなぁ〜(遠い目)





でもまぁ、彼らを救けるためならなんだってやってやるさ。

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