141.武器商人と暗殺者 ページ4
K.G「つまるところ私は軍事兵器の商人です。」
『、』
突然の事だった。女は平然とした表情で、そうつぶやくように言った。もちろん口元に笑みは張り付いたままだった。
K.G「世界中の違法組織、麻薬カルテルやマフィアに銃や兵器を売りさばき、戦争の手助けをしています。」
女は続ける。
K.G「紛争、戦争、大歓迎。」
続ける。
K.G「戦いが起これば銃が売れ、儲けが出る。」
続けるーー
K.G「とても素晴らしいこと。」
『ふざけないで!!』ドン!
私は湧き出た感情に動かされ、勢いよくテーブルに手を振り下ろす。同時に机上の茶器が私の殺気に悲鳴をあげパリンと割れた。
『頭おかしいわ、あんた。下衆だ…戦争が素晴らしいなんて、吐き気がするわ!』
私がそう吐き捨てても、女は、
なんなんだこの女は。
終始、笑っている。気味が悪い。
K.G「下衆…ですって?
ふふふ、それはあなたも同じこと。」
K.G「私もあなたも、人の死に価値を見いだしては、金を生み出す。我々は死神。
我々は同じ者…そう思わない?」
…
『…く…くだらないわ』
K.G「あら、可愛い。何も言い返せないのですね。」
K.Gは私を子供のように扱う。私を見下し、笑う。
気味が悪い。手の中で転がされるような感覚。私はこれが大嫌いなんだ。
誰かに管理され、手玉に取られるのが。
K.G「要件は手紙にあった通り。
我が社の新計画、中東の紛争地に武器を流す、新たなルートの確保に関する計画、とても重要な計画です。
データとしてコンピュータ内に保管していたものはプログラムが書き換えられておじゃん。相当手強いハッカーの仕業です。
そしてその新計画に関する文書が、紙、あるいはカセットに焼かれ、今運び屋によって世界のどこかを移動し、依頼主の手に渡ろうとしている。」
K.G「依頼主は多方、我々のライバルである
中東の紛争地は武器がまあ売れる売れる。
だから人気なのです。あのルートは。
同業者の間でね。
ライバル社はもちろん、我々のルート確保を邪魔したいはず。自分たちの武器を売るために、ね。
もしくはその他、紛争地に武器を送られると困る者たち。軍部やら、国やら。
私は貴方に、文書が依頼者に渡らないよう、その運び屋を暗殺して頂きたいのです。」
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ゆう(プロフ) - とても面白いです!続き待ってます (2020年6月6日 14時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏 | 作成日時:2019年4月8日 21時