53.子供の顔 ページ9
キルア「ははっ。なんだよ、いきな…」
そう言いかけて、キルは口を噤んだ。
私が本気であることに気づいたらしい。
キルア「…ま、好きだよ。」
キルア「…」
キルは頭の後ろで手を組むと、
ベッドに腰掛けている状態からそのまま
ボフンッと後ろへ倒れた。
キルア「…うそ。本当はスゲー好き。
もちろん、恋愛感情は皆無だぜ。
友達として、ゴンが好きだ。」
キルア「オレさ。スゲー信頼してるんだ。」
そこまで言って、キルは私の目を
真っ直ぐ見つめた。
キルア「だからオレ、戻らないよ。
いくら姉貴の頼みでも、絶対。」
暗殺者の目じゃない。
ただの、普通の子供の目だった。
友達を思う、普通の子供。
それでいいんだ。
そう、普通になれていいんだ。
『うん。戻らなくて良い。
…ゴン君と仲良くね。』
キルア「え…」
『仲間を、裏切らないこと。
約束できる？』
キルア「…それ、親父にも誓ったぜ。」
『じゃあお姉ちゃんとも�猝鸞��瓩靴董�』
キルは身を起こして、今度は
ベッドの上で胡座をかくと、自分の親指
の腹を少し噛みちぎった。
キルア「こうだろ。」
痛々しく、キルの親指の腹の部分から
血が溢れた。
キルは私に親指を突き出す。
私は自らの親指を噛み切ろうとはせず、
キルの血の出ている親指を自らの両手で
包み込んだ。
キルア「あれ、姉貴。�狎世き瓩賂；； �
チュ。
『�猝鸞��瓩世茵�』
私はキルのおでこに一つ、キスを落とした。
キルア「あっ、え、ちょっ…ハァ！？」
顔を真っ赤にするキル。可愛いらしい
反応に、私も思わず笑みが零れた。
キルア「…は、恥ずい。」
『イイじゃん。お姉ちゃんはもう
満足よ。ありがとう。』
キルア「も、もう行くのか…？」
手元の懐中時計は、午前1時を指している。
『うん。キルも もうおやすみ。
また明日、遊びに来るね。』
私は顔の真っ赤になったキルの頭を撫で、
部屋を出た。
静まり返った廊下を歩いている
うち、先ほどの楽しそうなキルの顔が
脳裏にチラつく。
子供になったね。キルア。
こういうのは変かも知れないけれど、
家にいた時よりも、無邪気で明るく
なったキルは、
やっと年齢相応の顔をするように
なっていたから。
暗殺者の顔じゃない。子供の顔を。
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杏(プロフ) - 萌伽(/・ω・)/さん» わぁ(^^)読んでくださってありがとうございます！ (2018年4月23日 23時) (
レス) id: 884d6b5516 (このIDを非表示/違反報告)
萌伽(/・ω・)/ - おんにいいぃぃぃぃぃいああ(( なんでこんなにすごいとよ() ('-' ) (2018年4月23日 15時) (レス) id: a230e5531a (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - しゃるなあくさん» ありがとうございます！これからも宜しくお願いします(^-^)/ (2018年4月7日 17時) (レス) id: 884d6b5516 (このIDを非表示/違反報告)
しゃるなあく - やば、おもろ（≧∇≦） (2018年4月7日 15時) (レス) id: 3513cc92b6 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます！！嬉しいです(^^) (2018年4月3日 8時) (レス) id: 884d6b5516 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏 | 作成日時：2018年3月14日 21時
