悪夢の後は ページ13
熱を出し、泣きそうな顔で今朝見たという悪夢話をする侑をなだめながらAは冷えピタの薄いシールを剥がした。
「ほれ、デコ出して」
悪夢を見て熱を出したのか、熱があったから悪夢を見たのか。よく分からないがとにかく熱と悪魔の余韻でとても苦しそうだ。
「今日仕事休んだし、病院行こうな。」
「フッフ、病院くらい1人で行ったらええやんか」
「治、やめなさい」
先日の喧嘩を根に持っている治をAが叱る。
一体全体 治も侑もお互い病院には1人で行けという割に、1人で病院に受診しに行ったことなどない。
「そうや治、侑の事先生に伝えといて」
「おん、ほな行ってくるわ」
治が頷き、部活用のエナメルを肩に下げ家を出た。
「侑なんか食べられそう？」
「食べたない…」
「ほんなら薬だけ飲んだこうな。」
.
そう言って薬をとりに行こうと立ち上がったAの腕を弱々しく侑が掴んだ。
「‥なに泣いとるんよもう、弱虫やなぁ(笑)」
「‥うっさい…‥頼むからまだ離れんといて」
Aは首に顔を埋めてぐずぐずと甘え出した侑に、これじゃぁ薬どころか病院にも行かへんやんか、と軽くツッこんで続ける
「侑、死の夢は縁起がええんやって知っとる？
近いうちに私になんかええ事が起きるんかもな
ラッキーやなぁ」
「‥今の言い方北さんみたいや」
「あ、そうなん？」
Aのその落ち着きぶりに、侑も落ち着きを徐々にとり戻し始めた。
「そうや、プリンは食べる？
昨日買ってきた一個売りのやつ」
「たべる…」
「ほんなら、ちょっとこの長い腕どかして」
「ふっふ、
あー、長すぎて絡まってしもたぁ〜」
「あ！ちょ、どこ触っとんねんこのテナガザル！」
「誰がサルやねん！」
「お前や！ほれ、元気なら学校いかせるで」
「嫌や〜
な、あと少しだけ」♡
少し元気になるとこのように侑はすぐ調子にのる。だが、可愛い顔にキュンと来てしまい仕方なくAは抵抗をやめて、侑に向き直った。
その代わりに、
「ほんまに、手のかかるお猿さんやなぁ」とぶつぶつと不満を垂らしたのだった。
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兎海(プロフ) - さなさん» わ〜、（ ; ; ）楽しくよんでくださり、ありがとうございました！ (2020年6月30日 21時) (
レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 完結お疲れ様です！毎日楽しく読ませていただきました！ありがとうございました(o^^o) (2020年6月30日 21時) (レス) id: 044cdc5137 (このIDを非表示/違反報告)
兎海(プロフ) - すみた先生さん» うれしいです（ ; ; ）読んでくださりありがとうございました！ (2020年6月30日 18時) (レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも楽しく、ドキドキさせてもらいました！ (2020年6月30日 17時) (レス) id: 3d497f3b24 (このIDを非表示/違反報告)
兎海(プロフ) - 東雲。さん» 本当ですね…汗 ご指摘ありがとうございます！訂正しました。 (2020年6月21日 8時) (レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：兎海 | 作成日時：2020年5月16日 23時
