番外編:Happy Birthday2019 ページ37
(2019年エニゴ本番前)
3月24日は宏規くんの誕生日だ。刀ミュで出会ってからその日は何となく「おめでとう」を言うだけだったのだけど、付き合って2か月と少し。
初めて恋人として迎える誕生日に、彼は20歳を迎える。ある日の私は、麻ちゃんと2人で唸っていた。
「ていうかその日の前後の予定は」
「撮影で缶詰……」
「忙しいのは良い事だなー！でもさ、好きな人にならいつ祝われたって嬉しいよ」
とりあえずプレゼントは香水とちょっとお高めのイヤホンという何とも言えない組み合わせにした。身につけるけど気兼ねないものがいいかなぁという安直な考えだ。香水は好きな系統の匂いが分れるけど、多分彼がいつも身に着けてるテイストから外れないので駄目ではない筈。
(いつもされてばかりだからサプライズしたいし、1番にお祝いしたいんだけどなぁ)
実はこの手のサプライズ、誕生日近辺だと気付かれやすい。舞台なんかをしてると結構役者さん達が仕掛けている事に気づく事もままある。とはいえ、その気持ちが嬉しいのだけど。驚いてる顔が見たいなぁと漠然と思う。
とか言ってそういうの苦手だったりする？別にされた事もないしするつもりもないけど、私もフラッシュモブとかは確かに苦手だなぁとか悶々と考える。
彼の誕生日までもうすぐ。優柔不断な私はずるずると悩み続けていた。
*
「わっ、もうすぐ24日！」
仕事が押した3月23日の時刻はもうすぐ23時56分。
戸崎さんと別れてわたわたとタクシーに乗り込んで降り立った先は――宏規くんの家の最寄。一応なんとなくここ1週間の予定は聞いていて、この時間帯はさすがに家にいるって言ってた。
言ってたけどいきりなりってやばくない？怖くない？と今更突拍子もない自分の行動力にどん引きしつつスマホ片手にロータリーで頭を抱える。
「ていうか家どっちだっけ」
そもそも忘れてた。自分が方向音痴だということを。宏規くんの家に行ったのは夏に彼が体調を崩した時。LINEを遡ったけど会話が多すぎて中々見つからない。それだけたくさん会話したんだなぁって嬉しくなるけど、今はそれどころじゃない。
そんなこんなしてるうちに時刻は0時。「あっ！」と慌てて私は宏規くんの名前を欄で通話ボタンを押した。彼は2コールで緩い声で出てくれる。
『はいはい〜』
「お、お誕生日おめでとう！……ちゃ、ちゃんと1番だった？」
『ん〜…』
「えっ」
『ははっ、嘘〜。Aが1番。マネージャーといくみんがその後に続いてるわ』
Happy Birthday2019 2→←73話-Side Hiroki-
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emer(プロフ) - ジゼルさん» ご感想ありがとうございます！とても嬉しいです〜！初小説で拙いですがご感想励みに頑張ります…！ (2020年4月21日 23時) (
レス) id: a9775c7f67 (このIDを非表示/違反報告)
ジゼル - 凄く面白いです！！！夢中で読んでしまいました(*´ω｀*)ご無理せず更新頑張ってください！！！ (2020年4月21日 1時) (レス) id: a4f4dbe6ea (このIDを非表示/違反報告)
emer(プロフ) - 晴菜さん» いつもありがとうございます。続編も程々に頑張ります！ (2019年11月3日 20時) (レス) id: cd93ae58f2 (このIDを非表示/違反報告)
晴菜 - 続き楽しみにしています！無理せず頑張って下さい！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: 3c5af7941e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：emer | 作成日時：2019年10月31日 23時
