立ちすくむ ページ5
「やぁ、どうも。」
彼の姿。
私は思わず、奇声を発しその場で立ち上がってしまった。
クラス全員の目玉が私へと向けられる。
……だけれど、皆私とは違い
この人間はみえていないようだった。
私は更にこの人間の事が恐ろしくなった。
空を飛んでいる上に、
その上誰からも見えてはいない。
確実に人間の領域越えている。
私は膝が笑うのを感じた。
「おい、どうしたんだ山川。」
担当教師が焦ったように私にそう聞いた。
「いえ、なんでもないんです。」そう言って座ろうとしたが
身体に力が入らない。
“立ちすくむ”とはこういう事を言うのだろうなと
薄れる意識の中でふと思った。
「だ、大丈夫……じゃないよな。おい、委員長！」
「はい。」
「保健室まで連れて行ってやってくれ。」
その言葉で、自分を縛っていた何かが途切れる様な感覚がした。
具体的にいえば、身体に力が入るようになったのだ。
周りを見てもアイツはいない。
……どうしちゃったんだろ、私。
幻覚症状でも出たのかな。
ふいに私の背中に誰かの手が当たった。
「行くよ、」
委員長だった。
名前は……忘れてしまったけれど。
彼は私の前をぴったりとリードして進み始めた。
私もそれを追う。
保健室までの道のりの中、
アイツと遭遇する事は無かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩歌(プロフ) - 藤原義孝公のこの和歌私すごく好きなのでとても感動しました！これからも無理のないように頑張ってください! (2016年1月7日 13時) (
レス) id: 6afdd295b9 (このIDを非表示/違反報告)
ヴォルデモート卿(プロフ) - えとさん» 恋愛って全てが全て幸せで終わるものではないとどうしても思ってしまう癖があって（言い訳）。次回はハッピーにしたいと思います！コメントありがとうございました（＾＾） (2015年7月2日 23時) (レス) id: 90b3e812b7 (このIDを非表示/違反報告)
えと - どうしてもこの二人は報われない運命なのですか...次回作はハッピーエンド期待してまs(( (2015年7月2日 19時) (レス) id: 0b70f68b6b (このIDを非表示/違反報告)
ヴォルデモート卿(プロフ) - 二匹目の永久兎さん» 俺の胸で泣いていいんだぜ（コメントありがとう） (2015年6月15日 0時) (レス) id: 90b3e812b7 (このIDを非表示/違反報告)
ヴォルデモート卿(プロフ) - sixballeさん» ありがとうございます！次回作も時間が許す限り頑張ろうと思います。よろしければこれからも、お付き合いくださいませ（＾＾） (2015年6月15日 0時) (レス) id: 90b3e812b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヴォルデモート卿 | 作成日時：2015年4月11日 15時
