行方不明・3 ～喪われたもの～【歌い手】 (ページ7)

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天「た…大変だ！」セ「もうすぐ５０話ですねぇ」貴『４９話！いっくよー⁉』ページ7

貴方さいど。

貴『あれ……ここ……？』

目の前に現れたのは、真っ白な空間。

自分も白い服を着ている。

あ、これってあれ？

死装束？(ちがう)

いきなりぶんっと音がして前を見ると、黒い服を着た自分がいた。

？【ねぇ……】

その声は、自分の声のようで、そうでない、低い声だった。

貴『貴方は……誰……』

なぜか震える声。

なんで？

私は何か、こいつに恐れを抱いている？

何を恐れている？

なにを？

？【貴方のことは私が一番わかっているのよ……】

貴『だから誰なのさ！』

？【……】

黙りこくるもう1人の自分。

？【……そうね。特に名前もないのだけど、強いて言うなら……

貴方のもう1人の人格。かしらね。】

もう1人の人格。

貴『私……二重人格だったの……？』

？【そう言うことになるわね…ちなみに私が司っている性格は、闇。貴方が抱えている闇の部分が凝縮されてできたもの……かしら。】

闇。

たしかに、抱えている。沢山。

？【今までは、名前もなく、目立つこともなく、貴方の心の端っこでうずくまっていたものだけど……ここまで大きくなっちゃった。】

“もう、人格として認めざるを得ないわ”

そう言って彼女は笑った。

？【貴方はさっき、自分の感情を壊したわよね……でも、誰かがそれを再生…と言うべきかしら。えぇ。再生……したわよ。そのせいで貴方と私は今ここで呑気におしゃべりできているの。】

貴『え……』

再生……された？

再生といったら兄さんだ。

兄さんがやったの……？

いや、でも兄さんたちの記憶は消したはず……‼

じゃあ、だれ？だれがやったの

？【そこは私も知らないわ…】

貴『じゃあ……なんで、なんで！オレは！

…………お、れ？』

？【やっと気づいたようね。ニセモノ。】

貴『あ、れ、オレ……あはは……』

わからない、なにが正しくて、なにが間違ってて……

わからない、

わからない！

？(……け、て……)

貴『え』

？【私、ずっと見てたから分かるの。

貴方は……

ただの癇癪おこしのパペット(仮面)よ！】

パペット……

オレが……？

？(だ……れか……)

？【貴方が！貴方が！

あの子を殺したのよ……！】

？(や……めて……ょ)

こだまする声

変えようのない事実。

目の前に広がる紅い海。

自分が自分じゃない矛盾

？(ね……ぇ)

貴『……っ！』

オレは……オレは……！

貴『オレが……！

この体の持ち主だ……！』

？【………】

お話が

捻れていく