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翔side
親友の智くんちの双子ちゃん。産まれた時から別の病院に
通っていたけど、主治医の先生が異動になるし、高校生に
なったから、それにあわせて転医することになった。
智くんにお願いされて、引き受けた。
今までの主治医の先生と俺も知り合いで「かわいい双子ちゃんを
よろしくね、嫌がれるけどね」って言われた。
何度も一緒に遊んだり、ご飯も食べたりして、「翔ちゃん」って
懐いてくれているけど、病院で会うのは初めて。
今日が俺が診察する初めての日。
ゆっくり時間をかけたいから、休診日にきてもらった。
看護師さんも一人来てもらう。
智くんに手をつながれてやってきた二人。
智「こんにちは、お世話になります」
看「こんにちは」
様子を伺うと、問診票を出す智くんにピッタリ張り付いている。
「和くん、潤くん、いらっしゃい」
和・潤
「翔ちゃん・・・」
智くんの手続きが終わったのを見届けて、
「こっちの部屋いこうかな」
診察室へ誘導する。
和「いかない、いや」 潤「潤ちゃんもいやよ」
智「ちょっと、診察室ぐらい入ってよ」
「いいよ、入りたくないね。
ねぇ、ジュースすきだよね？」
和・潤
「すきだよ」
「じゃあね、先にジュース買いにいこう」
和・潤
「うん」
二人にそれぞれジュースを買って戻ってきた。
「ジュース持ったままでいいから、もしもしさせてくれる？」
和「いや〜」
潤「もしもしだけ？」
「うん、もしもしだけだよ、約束。痛いことしない。
向こうの部屋へ行かなくても、ここでもいいよ、
ジュース飲みながらでもいいよ」
潤「すぐ、終わる？」
「潤くんがじっとしてくれていたらすぐだよ」
潤「いいよ」
「ありがとう、今日はここでしようね」
診察室へ入らず待合のソファーでする。
「少しだけ服あげるよ〜」
胸部の聴診をはじめると、
「ううん〜きらい〜」って言いだした。
「もう前は終わり、そのまま背中〜」
もぞもぞ動きながら、「パパ〜」って言う。
「終わった〜、すぐだったでしょ。
かしこかったね」
潤「潤ちゃん、終わりね」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年6月15日 6時
