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智「まー、お疲れさま、おうち帰ろうね、
車椅子乗ろう」
智くんが声をかけて車椅子乗ろうと言うと、うわ〜んって
泣き出してしまった。
「わかった、このまま抱っこしてるよ。
お腹も気持ち悪いんだよな」
結局。抱っこのまま家へ帰ってきた。
抱っこのまま、お腹をマッサージ。
ようやく、排泄できてオムツ交換した。
アイスクリームを口から食べて、少しだけ機嫌がよくなった
と思ったけど、ずっとめそめそ泣いている。
智くんと俺が二人ともいないとだめで、トイレへ行かせてもらう
のも大変。
そんな風に過ごしていると、家の電話がなった。
受話器を置いた智くんが言う。
智「花(はな)ちゃんのことだった、
とても順調でね、トイレのしつけも完璧で、無駄吠えもなし、
おすわりもお手もできるようになったって。
もちろん、健康そのものだって。
それで、予定より早いけどうちへどうですか？って、
動画を送ってくれるって。
もしよければ、今使っているゲージとかも譲ってくれるって。
うちがよければ、明日の午後でもいいよってどうする？」
「おお〜、すごいねぇ」
まーの退院が決まった時、智くんから相談された。
退院祝いに犬を家族にできないかって。
小さい頃から動物が大好きで『犬を飼いたい』ってよく
言っていた。
入院中にセラピードックが病室を訪問してくれた時、
まーがとても良い表情をしたとも聞いた。
それで二人で相談して、犬を家族として迎え入れようと決めた。
でも、まーの退院や俺の休職などで、退院と同時に
迎え入れるのはとても不可能だった。
セラピードックのトレナーさんの連絡先を教えてもらって相談
してみた。
飼いやすい犬種やしつけの方法など。
トレナーさんが、知り合いの所にトイプードルの赤ちゃんが産まれて
一匹引き取ろうと考えているけど、うちにその子をどうかと
提案してくれた。
さらに、ありがたいことに、少し大きくなるまで自分が預かって
しつけをしましょうかと言ってくれた。
本当にありがたいことで、智くんと二人で大喜びした。
智くんと俺は、何度か見に行った。
とてもかわいいトイプードルの女の子で名前は、花ちゃん。
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年4月18日 10時
