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看護師さんが出て行った後、ベッドにぐったり横になった。
しばらくすると寝息を立て始めて少しだけ安心した。
夜中、何度か起きてお手洗いへ行ったり、水分補給したりした。
明け方、俺が急患で呼ばれた。
起きるまでに戻れるだろうと思ったら戻れなかった。
看護師さんからも他の先生からも『潤くんが・・・』ってたびたび、連絡が入るけど
今は離れられないから、『行くから、いい子にしていて』と伝えてもらう。
やっと落ち着いた所で看護師さんから声がかかる。
「朝からバイタルも測らせてくれません、のどの痛みを聞いても・・・」
「わかりました、ありがとう、行ってきます」
部屋の中から声が聞こえる。
「潤くん、翔先生が来てくれるまでに座薬だけしとこう、ね」
「いやだ、いい」
「じゃあ、もしもしだけさせて」
「いやだって、もう、いや〜」
がまんした反動がきてるなと思いながらドアを開ける。
「おはよう、どうしたの？みんなから連絡きてるよ」
潤「おはようじゃない・・・起きたら、いなかった、
当直じゃないって言ったもん、
翔ちゃんが泊まってくれるって、
だから、全部がまんしたのに」
「ちゃんとわかってるよ」
潤「採血も点滴も翔ちゃんがよかったの、
エコーもタオルなしでがんばった、
耳鼻科は、もう絶対行かないから、
今からおうち帰る」
溜め込んでいたものをやっと、言葉にした。
耳鼻科へ行かないとおうち帰るはどうするか。
「起きたらいなくてごめんな、
戻って来るの遅かったね、ジュース飲んで、
熱測ってみよう」
潤「いや、潤ちゃん、帰るから。点滴外して」
「せっかく、点滴したのに外さないよ」
潤くんを説得してくれていた看護師さんは、俺にアイコンタクトして
部屋を出て行って二人になった。
潤「おうち、帰る。ちゃんと寝てる、いい子でお留守番して、
待ってる」
「うん、でも、翔ちゃんが心配だからここにいてほしいな、
おねがい」
潤「・・・翔ちゃん、潤ちゃんいないとさみしい？」
「めちゃくちゃ、さみしいから、いて。おねがい」
潤「じゃあ、いてあげてもいいよ、でも、夜、寝ている時に
いなくならないで、ちゃんと『行ってきます』して。
夜一人は、こわい。
潤ちゃん、もう耳鼻科は行かないからね」
「わかった、夜、呼び出された時も『行ってきます』してから
行くよ、
耳鼻科は、診てもらうよ、昨日、おりこうさんだったのに」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年4月18日 10時
