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お礼を言って診察室を出る。
「がんばれたね、痛かったでしょ？」
潤「・・・うん、痛かったよぅ。
がまんした・・・
大学生が泣いたら恥ずかしい、
翔ちゃん、困らせたら・・・」
「強かったね、
でも、俺にそんなに気を使わなくていいんだよ、
体調悪くて入院してるんだから」
潤「うん」
部屋へ戻ってきて、ベッドへ寝かせる。
「もうすぐ、ご飯くるけど食べなくてもいいからね」
潤「・・・のど、痛い。食べられない」
「うん、なるべく早く来るからね」
潤「待ってる」
耳鼻科の診察もスムーズにさせてくれて良かったけど、
溜め込みすぎているなと思って声をかけた。
でも『大学生だから・・・俺に迷惑をかける』って
スイッチオンの状態のまま。
もちろん、体調も心配だけど、メンタルが心配。
本当は、甘えん坊で診察も処置も赤ちゃん並みに
怖がるし、泣く。
カルテを確認すると、耳鼻科の先生からの返事が
入力されていた。
『がんばりすぎているかな・・・心配です』と。
仕事を終わらせて、コンビニでゼリーとかプリン、
好きそうな雑誌を買った。
いつもなら、しんどくても『コンビニ行きたい』って
聞かないけど、今日はそれもなかった。
シャワーを浴びて着替えて部屋へ向かう。
「ただいま」
返事がない、食事がふたを取った状態でそのまま置いてある。
ベッドの上に一つの山ができていて、小刻みに動いている。
「よしよし、しんどいなぁ。どうした？顔、見せて」
掛け布団を少しめくって、顔を出させる。
お気に入りのタオルを握りしめて、真っ赤な顔して
前髪がぺったんこになった状態で泣いている。
「しんどくてがまんできない？お薬して楽になろうか？」
潤「・・・ご飯食べられないって言ったのにね、
看護師さん、ふた開けた。食べられないのに、
『少しだけでも』って」
「そうか、食べなくていいから下げようね、
のどは、痛みひどくなってない？」
潤「ずっと痛いよ、座薬した後は、マシだったけど
耳鼻科行った後から・・・もう、わかんない」
「潤くん、そのままでいいから座薬しておこう」
潤「・・・うん、翔ちゃんして、
今したら、今日はもうしない？」
「しないよ、お薬取って来るね」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年4月18日 10時
