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ノックされて入って来たのは、心臓のエコーの機械を押した
先生と点滴してくれた研修医の先生で翔ちゃんでも智先生でも
なかった。
先生「潤くん、こんにちは、しんどいのに悪いけど、
心エコーしてもいい？」
「はい、お願いします」
先生「早く終わらせるからね、少しの間だけ、パジャマあげるよ」
先生は、パジャマをあげて代わりにバスタオルをかけてくれた。
翔ちゃんと智先生だったら、小さい頃から検査の時に持ってる
タオルを渡してくれるけど・・・先生は知らないからそのまま
エコーが始まる。
「タオル持って検査したい」って言えないから、いつもより
いやだったけど、がまんした。
いつもだったら、いやいやして翔ちゃんに来てもらうけど、
もう大学生だし、翔ちゃんを困らせたらだめだから。
先生「潤くん、終わったよ、ゼリーふくからね」
「ありがとうございました」
先生「どういたしまして、ちゃんと、翔先生と智先生に
報告しておくからね」
「はい」
次は、何するんだろうって思いながらまた、ウトウトした。
翔side
いつもなら『潤くん、点滴が嫌だって・・・心エコーは翔先生が
いいって拒否です』ってPHSに連絡が来るけど、今日は一回もない。
前回の入院の時は『バイタルも測らせてくれなくて・・・』って
連絡がきてひっくり返りそうになった。
退院して、家で話を持ち出したら、『だって、翔ちゃん来て欲しかった』
って言われて、何も言えなくなった。
今回は、何のスイッチが入っているのか、採血も点滴も心エコーも
いやいやせずにやってもらったみたい。
ちゃんとお礼まで言ったって。
耳鼻科の先生から『今から潤くんどうですか？』って連絡をもらった。
『お願いします、準備して行きます』って返事。
耳鼻科の診察、大嫌いで痛みも出るだろうから、耳鼻科でいやいやが
爆発するだろうなって覚悟した。
「潤くん、入るよ、なかなか来られなくてごめんね」
潤「・・・翔ちゃん」
「寝てるところ、悪いんだけど、耳鼻科行こうか」
潤「うん、歩くのしんどい」
「車椅子でいこうな」
膝掛けをかけて、手には潤くんの大切な相棒のタオルを
持たせる。
耳鼻科へ向かいながら話す。
「今日、すごいがんばったねぇ」
潤「・・・うん、もう大学生だし・・・、
耳鼻科ね、翔ちゃんも中まで一緒に来て」
「もちろん、中まで行くよ」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年4月18日 10時
