きょうは・・・続続続 (ページ25)

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翔side

潤くんが大学生になった時、一人暮らしをしたいと言い出した。
体調がいい時はいいけど、よくない時に一人は心配。
いろいろ相談して、シェアハウスで納得してもらった。
主治医だけど、両親が親友で家族ぐるみのお付き合い。
だから、弟と二人暮らしになった感じ。
潤くんは、「毎日、もしもしはしないから」って(笑)

病院、診察は、大嫌いな潤くん。

少し体調をくずしていて、まあ、ご機嫌が・・・。

「潤く～ん、お熱測ろう」

「いい、熱ないし」

「なかったら、それでいいから、ほら」

「いや」

体温計を挟もうとする俺の手をふりはらう。

「じゃあ、耳でもいいよ」

「いやだ」

潤くんがいやだって言い出すと、大変。
病院、診察は大嫌いだから、いやだって言わない時はない。

「わかった、智先生に連絡するから病院行こうね」

もう一人の主治医、智先生の名前を出す。

小さい頃からの主治医で、頭があがらない潤くん。

「だめ、入院って言われる、熱の時は、翔ちゃんが
　先生だもん」

今の状態で入院はないけど、智先生に診察してもらう時は、
心臓の状態がよくなくて入院になることが多いから。

「じゃあ、翔ちゃんがもしもしするよ、いい？」

「うん」

実は毎回、このパターンで説得するんだけど、潤くん気がついて
いないから、助かっている。

やっと測定できた体温は、３８，５。

「よしよし、しんどいでしょ、お熱、ちょっと高いわ。
　もしもしね」

Tシャツの裾を握っているけど、さりげなく離させて聴診。
痛くないことは理解しているけど、心臓病があるせいか、
いまだに聴診に慣れない。

シェアハウスを始めてからやっと、泣かずに聴診させて
くれることが、たまにある。

今日は、大きな目から大粒の涙がポロポロ。