きょうは・・・続続続 (ページ12)

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智先生の問いかけに「パパ」と小さな声で答えた。

「うん、パパと行こうね、
　中に入ったらどうしようかな～
　パパはお家の人が座る席に座るよ、
　潤ちゃんは、先生が抱っこしてクラスの席に座ろうね」

智先生が言うと、より一層、俺にしがみ付いてきた。

智先生は、「潤ちゃんの席ね、いい所なんだよ、のぞいて
みよう」と言った。

抱っこしたまま、会場の体育館へ入ると、「潤ちゃんの席は
ここね、パパの席は、ここだよ」と説明。

席は、通路を挟んでいるけど、隣同士と言ってもいいぐらいの距離。

「どうかな？先生の抱っこで座れる？」

「いい席だね、パパうれしいなあ」

「・・・先生」

「さすが、じゃあ、今から抱っこ交代してもいいかな？
　パパはね、ここで待っていてくれるよ」

「潤ちゃん、智先生に抱っこしてもらおうね」と言うと
なんとか智先生の抱っこしてもらうことができた。

「いらっしゃい」とやさしい笑顔で抱っこしてくれた先生。

「もう少ししたらね、みんなで入場するから潤ちゃんも
　行こうね」

それを聞くと、『パパ～』と手を伸ばしてくるけど、
先生は気が付かないふりをして、「涙、ふこうね」っていう。

お気に入りのハンドタオルで涙をふくけど、追いつかないくらい
あふれ出してくる(苦笑)

「よし、パパに行ってきますしようね」先生の言葉を聞いて
号泣。

無理かもって思ったけど、智先生は動じない態度で「この
タオル持って行くからね、パパの代わりだよ、
絶対、パパ待っててくれるから、大丈夫」と言った。

「潤ちゃん、卒業式と一緒。みんなと一緒に入ってきたでしょ。
　ここに絶対いるからね、行ってらっしゃい」と声をかけて、
頭をなでて、涙をふいた。

智先生は、『行ってきます』と言いながら、潤ちゃんの手を
振らせると、号泣を気にすることなく出て行った。