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体育館の方へ近づくと、ますます密着。
「潤ちゃん、入ってみる？」
智先生の質問に首をこれでもかと振って拒否。
思わず、潤ちゃんらしいと笑ってしまう。
「パパさん、余裕ですね」
「いえ、とんでもない、でも、潤の性格なので。
密着で汗だくです」
「どうしようかな〜まだ、時間もありますし、
気持ち変わるといいですけど」
「ありがとうございます、少し、話してみます、
先生、他の生徒さんも来られますよね、すみません」
「いや、うちのクラス、新規入学が潤ちゃんだけなんです、
他の方は、中学から上がって来られる方ばかりで、
顔見知りなので、和先生と雅先生で。
しばらくは、潤ちゃんと私がマンツーマンってことに
なりました」
「そうですか、ありがたいです。こんなですけど、
よろしくお願いします」
「先日、中学校の先生とお会いする機会があって、
『いろいろ出来るからね、びっくりすると思うよ』って
教えてもらいました。楽しみにしています。
あと、パパが大好きだからって」
「本当によくして頂いて感謝してもしきれません。
お友達にも恵まれて、『潤ちゃん、潤ちゃん』って、
場所見知りというか人見知りというか・・・
少しずつ、潤ちゃんのペースでお兄ちゃんになってきた
とは思うんですけど、場所見知りと人見知りは、
なかなかです。とにかく、甘えん坊で。
リハビリの時間が増えるのが、心配らしくて。
赤ちゃんの頃から、嫌いなんです。
ずっと通っている所でも、いまだにめそめそしたりして、
そろそろ、先生とマンツーマンでって言われているんですけど、
どうしても嫌で、私か祖父母が必ず付き添ってます。
あ、申し訳ありません。入学式にどうでもいい話をして
しまいました。
潤ちゃん、そろそろ、泣きやもう。少し、お茶を飲ませても
いいですか？」
「もちろん、どうぞ。潤ちゃん、お茶飲もう」
ストロー付きの水筒で飲ませる。
「いつもストローですか」
「いえ、いつもは自分でコップに注いだりも
なんとかできるんですけど、今日はダメだろうと思って」
「潤ちゃん、そのままでいいから聞いてくれる？
入学式、行こうね、
車椅子乗って行く？
パパの抱っこのまま行く？」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年4月18日 10時
