行方不明・2 ～裏切りの砂人～【歌い手】 (ページ10)

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志「33話！ぞろめだ！」ページ10

うらたさいど。

αに呼ばれて慌てて医務室へ向かう。

扉を開ければ…

そこは、地獄だった。

瞳に光を宿しておらず。狂っているまふ。

喉元に鎌の刃を当てられながら倒れているluz。

戦いの時に切りつけられた腹を押さえてうずくまっている志麻。

壁にもたれかかって気絶している詩人

なぜか顔を赤らめて倒れているクプラ。←

う【なんだよ……これ…】

α【嘘でしょ…】

n【チッ】

ま【あははは！あははははははは！】

う【おいまふ！】

思わずまふの襟を掴む。くそ。無駄に身長たけぇな。←

う【おまえ何してんだよ！何仲間傷つけてんだよ！】

ま【仲間……？仲間って…なんですか？】

何いってんだこいつ。ふざけんな。

そんな思いは、まふの光を一切宿さない瞳に吸い込まれてしまった。

その瞳は、全てを諦めて、投げ捨てた後の

希望のかけらすら見えない瞳だったから。

思わずまふを突き飛ばし、後ずさってしまう。

う【お前…】

こいつは、なにかを抱え込んでいる。抱え込みすぎている。

ほら。その証拠に。

あいつの頬を涙が伝っている。

その涙は、心の奥底に眠るまふまふの気持ちのSOSにおもえた。

ま【……なんですか？】

本人は気がついていないようだ。

迷わず、オレはまふまふを抱きしめた。

ま【なっ……！？】

本人はかなり動揺している。

そんなまふにオレは子供に絵本を読むように言い聞かせた。

う【つらいんだろ？ほんとは。平気なふりして、仮面かぶって。なにを言っても無駄だって思ったんだろ？大丈夫。あくまでもここではそんなの無駄じゃない。】

ま【……っ！】

う【吐きだけよ。全て。支離滅裂でもいい。言いたいこと、全部言っちゃえよ。】

ゆっくりと。一定のリズムで。泣き止まない赤子をあやすようにまふの背中をたたく。

すると、まふは、緊張の糸が切れたのか、
大きな涙をポロポロとこぼしながら、ポツリ。ポツリと話した。

ま【ぼくは…ぼくは！常に親の言うことを聞かなきゃ…っ！暴力は受けなくても…っ！言葉の暴力を受けて……！それが…ずっと…ずっと！ボクの心を壊して……！痛くて…つらくて！気づけば自分がわからなくて！】

まふがそこまで言い終えると、いきなり、ずし。とした重みがきた。

どうやら泣き疲れて寝たようだ。

う【nqrse…！笑ってないで助けろ…！潰れる！】

n【ww身長差がやばい…！】

う【あ"ぁ"？】

これが、俺たちが出会って1日目。