続〜ゲームギュとの恋〜16

390.自分勝手 ページ15

それからの私達は 本当に些細なことも
報告し合うようになった。

仕事の事、友達の事、
買い物したもの、他の誰かとの電話の内容

毎日のメールと
少し時間が出来た時にかかってくる電話は

ずっと そんな内容だけのまま
何週間も過ぎて。

私が招待されたのとはまた違う ミュージカルの稽古を
海外をめぐるコンサートの合間に こなす彼と
任されたプロジェクトを 何度も何度もつまづきながら
なんとか形にしていく 私の時間は

擦り合わせる余裕のないまま、気付けば
季節は 春に変わっていた。


部長「・・うん。大丈夫でしょう。
この調子で プレゼンも頼みましたよ」
JM「はい！任せてください！！」
「ありがとうございます！」

新年度を迎えて しばらく経ったある日。

私達はやっと 新ゲームのCM発表会まで
こぎつけることが出来た。

キュヒョンとはもう 何日も会えていない

正直

会いたい、と
彼に言えないくらい 疲れてた。

「Aと会ったら 疲れなんて吹き飛ぶ」

そう言って笑ってくれる キュヒョンの顔が
何度となく 浮かんだけれど。

どうしてだか
疲れた姿を見せたくなかったし

そんな状態の私が
彼に何をしてあげられるんだろう？

そう考えてしまって、私からは
通話ボタンを押すことが できなくなってた。

JM「発表会済んだら 前祝いに
ちょっとだけ 飲みにいこっか？」
「いいね！行こ行こ♪」

次の私の休日も 確か
キュヒョンは海外でコンサートって話だったし
練習してたミュージカルも 今、公演中だし

忙しくしてるはずだから、きっと
私の部屋には 来ない

そう、思い込んでた私は

仕事が仕上がった報告と
発表会が週末にあることだけを
その日の昼休み、彼にメールした。

数時間経った後 送られてきていた
彼からのメールを確認したのは

もう就業時間を過ぎた 帰り道でのことで

お疲れさま、と
これから舞台、ってことが

いつも通り、簡潔に書かれてあった。

寂しいな

そう感じたのが 少し久しぶりな気がした。
自分勝手だな、って 一人自嘲する。

JM「何？何か可笑しな事でも書いてあった？」
「ううん、何でもない」

仕上がったプロジェクトの話をしながら
頑張ろうね、って また決意を新たにして

じゃぁね

歩きついたバス停の前で
そう お互いに手を振りあった後の
地下鉄の駅までの 短い道のり。

さっき バッグに仕舞った携帯が
静かに 私の足を止めた・・

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