続〜ゲームギュとの恋〜10

242.不安げな瞳 ページ17

KH「照れてないで、こっち来て？」

彼からの 視線が刺さる。
逆に 脚はすくむような気分なんだけど。

思いきって ２歩程歩いて 彼に近づけば
両方の手を 包み込んだ、彼の手。

温かい。
ホッとする。

KH「座って？」

自分の太股を ポンポンって叩く、彼。

え？
そこ？

・・・イヤ イヤ イヤ。

パシッって 音がするほど 固まってしまった私に
少し 不機嫌な声。

KH「嫌？」

いつもの 甘えるような声じゃなくて。

「嫌じゃないけど・・・重いんじゃ、」
KH「Aくらいで 重い、と 思ってたら
情けないでしょ？男として(笑)」
「そ、そうかな・・・」
KH「早く」

・・・ハイ。

出来うる限り、体重をかけないように
彼の 膝の辺りに座ると

座った側の手が 私の腰を抱いて
遠い方の手が 私の頬に触れて
視線を合わすように 顔の角度を
優しく 変えさせられて。

KH「ありがとう」

一言、そう言って
私を引き寄せつつ、顔を近づけた。

重なった唇。

爽やかなミントの味は
並んで歯磨きした 証拠。

流されるような感じは なくて
でも、ゆったりと 味わわれてる感じ。

KH「ちょっと 長かった？」

名残惜しそうに 離れた後
クリクリの瞳で 見つめながら
私にそう 問いかける。

首を何度か横に降ると ふわり、微笑んで。

KH「じゃ、今度は Aの番」

ベッドの上に置いてた 小さな箱。

彼が言ってたように 角のところが
ほんの少しだけ へしゃげてて

いつから 準備してくれてたんだろう？

そう思えば、愛おしい。

KH「開けてみて？」

腰の手は そのままで
反対の手で、目の前に。

「ここで？」
KH「・・？」
「だから・・この姿勢の、まま？」
KH「うん」
「・・・。」
KH「恥ずかしいの？(笑)」
「・・ち、ちがっ！」

イヤ、違わないけど！

ニヤリ、悪戯な微笑みに
思わず、考えとは違う返事を返したら

KH「じゃぁ、早く開けてみて♪」

楽しげな声。

包みを解いていくと、小さな白い箱。

「開けるね？」

声をかければ、頷いてくれる。

蓋をそっと 外したら
赤いベルベットのベッドに眠るような

白銀色の、繊細なチェーン。

丁寧に外せば、ネックレスの半分の長さも無い。

「・・・ブレスレット？」

私への視線は、まるで
顔色を伺ってるかのように 不安気。


KH「今回は誰にも相談せずに 一人で選んだんだ。
・・・どうかな・・好みじゃない？」


そういうことか(笑)
その瞳の色の 訳は。

243.彼のセンス→←241.指先

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す