4.囁く【J.M】 ページ4
・
「よしと。これで予熱しといたオーブンに入れれば…」
松本さんが、下準備の済んだチキンを鉄板に載せ、オーブンに入れようとしたその時
「熱っ！！」
松本さんの手の甲が、熱したオーブンの内側に触れてしまった。
松本さんは熱さに耐えながらも、何とかオーブンにチキンを押し込み、タイマーをセットした。
「ふう、やべ。落とさなくて良かったわ」
「だ、大丈夫ですか！！見せて」
その手を強引に引っぱり、手の甲を見ると、真っ赤になっていた。
「冷やさないと！」
水道のレバーを持ち上げ水をかける。
ザーザー
松本さんの手を支えながら、熱が引くのを待つけど、なかなか赤味がとれなくて…
仕方なく、水道を止め、患部をタオルで抑えると松本さんの綺麗な顔が、少し歪んだ。
「つっ…」
「ごめんなさい。どうしよう…私のせいで…今、お薬買ってきま…」
ドアの方に向かって歩き出したところで、ふいに腕を引かれた。
えっ
振り返ると、松本さんが私の腕を掴みながら、首を横に振って
「大丈夫だから…」
と優しく笑った。
「でも…」
「いいから。じゃあさ」
「は…い？」
「ここ、キスして…」
そう言って、赤くなったところに視線を落とす。
「な、何を」
「そしたら治る」
長いまつ毛が、上を向いて至近距離で目が合った。
ドキドキドキドキ
ああ
翔さん、ごめんなさい
私、松本さんにときめいてる
「ほら、してよ…」
松本さんが、目の前に手の甲を突き出す。
綺麗な手
赤くなって…
私は火傷させた負い目から、そっと松本さんの手に口づけた。
どれくらいそうしていただろう…
「ありがと。もう治った」
松本さんが言って
「良かった。おまじない効いたみたいで」
と顔を上げると
突然、唇が重なった。
目を大きく見開いたまま動けずにいると、顔を離した松本さんが
「なぁ…翔さんやめて、俺にしたら？」
そう言ってニヤリと笑うから思わず背中を向けた。
「な、なに言ってん…ですか！」
だって
きっと私
顔、真っ赤だ
だけど、松本さんは後ろからそっと私の腰に腕を回すと
「A…好きだよ…」
確かに、耳元で囁いたんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 948人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どんぐり - もう最高です！！続きが待ち遠しいです！わくわくしながら待ってます！ (2020年4月7日 0時) (
レス) id: ec7dc569f6 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - 凄く気になるとこで終わっちゃってるのが気になります(>_<) (2018年2月16日 13時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
megu_s(プロフ) - かおりん姉さん(*´･∀･)ﾉおはよーございます！ここまできましたね！どうやって奪還するのか、楽しみにしてます(笑)潤くんのテクを拝見できるかな？ﾝﾌ(//∇//) (2017年4月10日 10時) (レス) id: c659f5c21f (このIDを非表示/違反報告)
ドナルド(プロフ) - かおりんさん。返答ありがとうございます。 (2017年4月9日 16時) (レス) id: 8c04e0d212 (このIDを非表示/違反報告)
marumi - かおりんさん» 智に優しくされるの妄想すると、キュンキュンするわwちょっと落ち着いてきたよ、遊ぼ遊ぼ♪ (2017年4月9日 15時) (レス) id: 0f4c7aebac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かおりん
| 作成日時：2017年2月22日 20時
