11.恋人繋ぎ【S.O】 ページ12
・
大野さんに手を引かれながら、9月のニューヨークを歩く。
心地よい風がサラサラと頬を撫で、暑くもなく寒くもなく、本当に過ごしやすい…
はずなのに
さっきから、繋いだ手がジンジンと熱い。
多分、原因は
大野さんの親指が、私の親指の付け根をスリスリと撫で続けているからだ。
「…ねぇ、これ…」
目線をそちらにやって、やめて欲しいと訴えた…
つもりだったのに
「え？あっ、わりぃわりぃ」
大野さんはふにゃあっと笑いながら繋いだ手を
恋人繋ぎに変えた。
手が離れないように、指をしっかりと絡める。
って、おーい
そうじゃないってば！
顔を凝視したら
「ん？どしたぁ？んふふ」
なんて、鼻に皺を寄せて目を覗き込まれた。
その瞬間、私の心臓がキューッと音をたてる。
ダメだ
苦しい
本当に罪な男だ。
無意識のうちに、人の心を掴んで離さない。
おかげで、ドキドキが止まらない。
「ところで、どこに向かってるんですか…」
「この前1人で行ったんだけど、広くて回りきんなかったんだよ。さ、着いた」
目の前にそびえ立つ、石造りの古い建物を見上げれば、大きな垂れ幕に
The Metropolitan Museum of Art
の文字。
「メトロポリタン美術館？」
「そ」
背の高い外国人たちとともに、チケット売り場に並ぶ。
大野さんがたどたどしい英語で
「Two adults, please.」
指で2を作って見せた。
その途端、売り子の女性の顔が険しくなる。
「Are you kidding ? You look like a kid ! 」
ぷっ！！
子どもだろ、って言われてる
36歳のおっさんなのに…
ヒクヒクと笑いを堪えていると、
「ったく、こっち来て、何回目だよぉ」
って、大野さんがブツブツ言いながら、ジーンズの後ろポケットからパスポートを出した。
その後、無事、大人のチケットを買えた大野さんは
「ふふ、行くよ」
そう言って私の返事を待たずに、ちょっと強引に私の手を引いて、恋人繋ぎにした。
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どんぐり - もう最高です！！続きが待ち遠しいです！わくわくしながら待ってます！ (2020年4月7日 0時) (
レス) id: ec7dc569f6 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - 凄く気になるとこで終わっちゃってるのが気になります(>_<) (2018年2月16日 13時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
megu_s(プロフ) - かおりん姉さん(*´･∀･)ﾉおはよーございます！ここまできましたね！どうやって奪還するのか、楽しみにしてます(笑)潤くんのテクを拝見できるかな？ﾝﾌ(//∇//) (2017年4月10日 10時) (レス) id: c659f5c21f (このIDを非表示/違反報告)
ドナルド(プロフ) - かおりんさん。返答ありがとうございます。 (2017年4月9日 16時) (レス) id: 8c04e0d212 (このIDを非表示/違反報告)
marumi - かおりんさん» 智に優しくされるの妄想すると、キュンキュンするわwちょっと落ち着いてきたよ、遊ぼ遊ぼ♪ (2017年4月9日 15時) (レス) id: 0f4c7aebac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおりん
| 作成日時：2017年2月22日 20時
