おまけ いち ページ46
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『Aちゃんが、好きです
…だから、おれと付き合ってください』
「……え?」
9月半ば。
文化祭が終わったあとの、放課後の教室。
西日が差し込むここで、ふーまくんと2人。
……告白、されました
「えと、その」
『ごめん、急に……
でも、言いたかったんだ、ずっと』
風磨くんは顔を赤くしながら私の目をじっと見てる。
そこからからかわれてるんじゃなくて、彼が本気だってことが伝わってくる。
………うれしい。すっごくうれしい。
だけど上手く口に出せない。
それは彼が学年の人気者で、うちのクラスだけじゃなくて他のクラスの女の子にも人気があることを知ってるから。
…私じゃ釣り合わないと、思うから、どうしても
「私も好き」
って口に出せない。
喉に言葉と息が詰まって、苦しい。
『…ごめんね、本当に…
そんな顔させたいわけじゃなかったんだけど、』
「っえ」
考え込んでいるうちに、どんどん暗い顔になっちゃったっぽい。
風磨くんが私の顔を覗き込む。
『……あのね、ぶっちゃけAちゃんが俺のこと好きなの、知ってるんだ』
「、?!」
どういうことだ。
やっぱりわかりやすすぎた、のかな…バレてないと思ってたのに、
でもやっぱり風磨くんはみんなのものだから…私だけが独り占めしちゃいけないと思うし…
それに私と付き合ったりなんかしたら、風磨くんが何か悪口を言われてしまうかもしれない。
…そんなの、絶対に嫌だ
口を開きかけたとき、タイミングを見計らってたかのように風磨くんが話し始める。
『Aちゃんが俺のことが好きなの知ってる状態で告白するの、ずるいってわかってる…
でも俺さ、本気でAちゃんが好きだから。
誰にどんなこと言われたって、俺が守るから。俺が好きなのはAちゃんだけだから。何も気にしなくていいから。
だから、……俺と、付き合ってください』
彼はどこまで私を夢中にさせたら気が済むんだろうか。
私が不安だったことなんか、全部ちっぽけに見えてくるよ。なんでだろう?
…それはきっと、彼がとっても本気だってわかったから。風磨くんなら、って思えるから。
だから。
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☆ - じゅーいち【お前がいないとやっば調子でねぇわ】→やっぱ、 にじゅうきゅう【はーい、あ、◯◯ち!】→◯◯ちゃん! 、 おまけ に【私から体を少し話して】→離して だと思います。 (2019年6月2日 10時) (レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
そうた(プロフ) - 最高です!!!! (2018年9月23日 7時) (レス) id: 36c5694577 (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - そうたさん» ほんとですか笑笑 ありがとうございます(o´ω`o) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 11856ae683 (このIDを非表示/違反報告)
そうた(プロフ) - いきなり通知来て焦って呼んだらキュンキュンしてやばいっす。。(はい。すみません。) (2018年9月22日 7時) (レス) id: 36c5694577 (このIDを非表示/違反報告)
そうた(プロフ) - 健人くんのも読ませていただきます! (2018年8月17日 15時) (レス) id: 36c5694577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろ | 作成日時:2018年7月20日 1時