【男攻主】テリーヌ型のプリン【東海ｵﾝｴｱ】 (ページ26)

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灰ゾーン・エージェンシー / 架空の第○○話「交差する思惑」ページ26

※某企画ネタでもしすだれがいたらというif。あちこち捏造まみれ

tt視点

今日とて仕事に深夜もサービス残業、明日も仕事に休日出勤に手当てなし。いくら俺らもある程度の重労働は覚悟していたとはいえ、この状況が長いこと続いているのは流石にくるもんがある。

あのド根性の代名詞であるりょうすら参っている。しばゆーなんか疲れ目がひどくてわざわざ実家からいくつもアイマスクと目薬を持参してきたほどだ。「早く寝たいから」と目隠しを何枚も被せて扱ってたけど、アレに果たして意味はあるのだろうか。そこだけはどうにも疑問だったけどさ。

でも、偽の儲け話にまんまとつられた俺にも元々から付き合っていたみんなは相変わらず寄り添って、背中を追ってくれていた。実は一緒にこうやって会社で働けてることを嬉しく思ってるだなんて、言えないよなぁ。

だけど、そんな中でも地味に不安に思っていることがひとつある。それはメンバーの一人であるすだれが、俺を騙してまんまと全財産を持ち去った奴らを暴き出そうとどこかへ消えてしまい、未だに音信不通なことだ。

まあ、あいつはなんだかんだ強いからこんなところとは似ても似つかないホワイト企業で颯爽とばさ、と羽ばたいているのかもしれないし。考えたくはないけど、したたかに俺らを見限ったって可能性もあるかもしれない。

当たり前のように隣にいたから感覚がマヒしてたけどすだれは相当なお坊っちゃんだ。むしろ、実家の評判を下げたくないから、と俺たちと関わるのをやめるのが普通なんだもんな。なんだか、そう思うと少しだけ感慨深い。

ゆ「 ……ははっ。こっちは仕事そろそろ終わりそうだよ。どうせ新しいの押し付けられるんだろーけど。少しは休んだ方がいいよ。ほら、こっそり外出てタバコ買ってきたよ。一緒に吸お？」

て「ありがとなゆめまる！……ったく、社内全面禁煙とかオーボーだよなぁっ、この前社長室見たけど普通に灰皿が置いてあったのに。俺らはゴミ以下かよって」

ゆ「しっ、あんまり不用意なことは言わない方がいいんじゃない？最近監視の目が強まってきてるし、どこでまた面太郎さんが聞いてるかわからな」

面「私がどうかされましたか？」

脳裏で線香花火がパチッて弾けた感触がする。振り返るとそこには悪魔的で、どこか奥底にムラを隠した目つきをした面太郎さんがカチャ、と眼鏡の縁を調えつつ疑念にまみれた顔をしたまま立っていた。
　