【なんぼのもん】すだれを心から喜ばせてみたい!!ナニワ贈り物選手権!4 ページ16
て「 そこを何とか、何ならいい感じの指南書とか作って送ってくれたってさぁ、 」
ゆ『 うーん、それは無理かな♡自分の頭で頑張って考えようよ、そこは 』
そっと胸にケータイを抱き寄せるようにして、ひっそりとこしょこしょ話をする。だいたいいつでも誰かにちょっかいかけて大好きは伝えるくせにビックリするぐらい一途じゃないあいつの唯一の例外が、ゆめまるだった。
恥ずかしげもなく愛を叫ばない日はないと言い切れるぐらい、すだれは日課のようにゆめまるに気持ちを伝えていた。
こいつと楽しくいつまでも遊ぶためなら、すだれはたとえ空き缶の中、紹興酒が満たした壷の中。それどころか塵の溜まったゴミ箱にだって落ちていくだろう。
ゆ『 本当にそう思ってるの……? 教えてあげるんならさー、あいつが本当に欲しいものはサイズもカタチもちょうどいいものなんだよ、きっと。部屋に置いてても違和感がなくて、馴染みのあるやつ、たぶん 』
て「曖昧な言い方ばっかするなぁ、それだけじゃどうしたらいいのかわかんないってぇ」
ゆ『 ゲームのヒントだってビミョーだから面白いんでしょうがよっ、んじゃ切るわ。あととしちゃんには飲み屋でぐらい大人しくしとかないと寝てる間にその高い鼻へし折るからって言っといてね 』
(まさかのさっき起きたこと知ってる)
とても穏やかな声だったけど、それはまるでチックタックと回転数を上げたメトロノームのような無機質で救いようがない感じでもあった。
若干怖くて、通話口に吸われる俺のドクドクとした緊迫感は心にインクのシミのように滲む。なんだ、あの言ってる内容はギャグそのものなのに拭いきれないシリアスっぽさ。
あんな雰囲気は俺にはとても出せない。握った携帯から変な冷気がぞわぞわ背筋に吹きかけられている気がして、夏風邪を引く前にも似たアレが俺をかこう。
て「 皆さーん朗報ですよー、ヒントもらえましたー。大きさも形もちょうどよくて、インテリアみたいなのが欲しいんだって! あと肌馴染みのいいやつだったらもっと嬉しいってさ! 」
(はじめてのおつかいのメモ)
虫「 じゃあなおさらあいつあげたら喜ぶんじゃないの置物だし 」
と「 あ"っ、そんなんお父さ……俺が許さんからな、 」
て「 その案はやめよう、色んな意味で怖いバックが控えてる 」
り「 てつやが低周波マッサージ器みたいな震え方しててウケるんだけど 」
(おだまりしてほしい)
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ああああああああああああああああああああ(プロフ) - 更新待ってます、、いつまでも、、 (6月21日 21時) (レス) id: e3dfa91469 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:干し星 | 作成日時:2021年8月4日 11時