瀬名先輩の妹ちゃん【影片みか】 (ページ11)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:80,405 hit

妹ちゃん１０ページ11

「ここは、この間やった公式を使って解く。そして＿＿」

今、数学の授業。なんですが…

真「Aちゃん…？目が半分閉じてるけど、大丈夫？？」

『だ…大丈夫…いちばん嫌いな数学だけど…起きてないと…成績がぁ…』

ス「あと１０分だから、あとちょっとだよ」

あと、ちょっと…。あと、ちょっと…
…………あと……ちょっとぉ＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ん…。なんか気持ちいい。窓空いてるのかな？
そよ風が私の髪をなびいている。
私は瞳をゆっくり開いた。

『授業で寝ちゃったのか…これで成績落下確定だな…』

私が窓を見るともう薄暗くなっていた。
私、いつまで寝てんの？おっさんみたい…
自分に呆れている時、隣の方から寝息が聞こえた。
真くん心配してたからいてくれたのかな？

『真くん、ごめん…先に帰っててもよかっ…』

私が隣を見ると真くんではなく

み「んん…ふぁあ…あ、Aちゃんや。おはよーさん」

『か、影片くん！あ、帰る約束してたのに…ごめん！』

み「ええよ、俺も眠かったことやし十分休息取れたわ」

影片くんは気持ちよく伸びをした。
この人は不思議だ。
何故か初対面の私に話しかけてくれた。今もこうして優しくしてくれる。

『…影片くん。』

み「んー？」

『なんで、影片くんは私と居てくれるの？』

み「なんで？んー、なんでって言われると難しいかもしれへん…けど、俺はただ単にAちゃんといたら楽しいからかもしれへんなぁ？」

『そ、そうなの？』

み「せやで？俺、Aちゃんにおうてから今までも楽しかったけど、今までよりごっつ楽しなったで？」

『…よかった。本当に信頼してくれる人がいた…』

み「えぇ！？な、泣かんといて!?どないしたん！」

私が嬉しくて泣いてしまうと、影片くんは焦って私の正面に座って、涙を拭ってくれた。

『私、ずっとみんなといるのに話してくれてるのになんか孤独感があったんだけど…その言葉聞いたら嬉しくて』

み「俺だけちゃうよ？遊木くんやなるちゃんやて、みんなAちゃんのこと信頼してるで？」

みんながいてくれる。
それは私の人生の中で初めてだった。
前は一人で泣いてた。辛かった。話し相手が欲しかった。でも、今は＿＿

み「ほな、帰ろか！」

『…うん！』

ひとりじゃない。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

主人公ちゃんの過去話はもう少し先にやります！