【学パロ】好きです。だけど、ごめんなさい。【d!】【zm】

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ある日の放課後、教室で静かに一人で過ごして
いた時。

ゾムくん達は、生徒会でいなくて、優奈ちゃんも用事でいなかったから特にやる事もなく教室
で一人外を眺めていると、ふいに、



　「Aちゃんって、ゾムくんと仲良し
　 なんだよね…？付き合ってるの…？」



とクラスの女の子から声をかけられた。

やっぱり女の子だから、そういうの
気になっちゃうよね、と思いながらも、



　『付き合ってないよ。ゾムくんと私は
　 幼馴染みなだけだよ』



と返したら、もじもじしながら私に
「これ、ゾムくんに渡してくれるかな…？」
とクッキーを渡してきた。


＿また、これか。


これは、いつになってもお決まりで、ゾムくんと仲の良い私は、よくゾムくんの事が好きな
女の子たちにこういうことをされてた。

好きなら自分で行けばいいのに、なんて
思いながらも、表面では笑顔で接する。

もうずっとこれをされてきたから
慣れてしまって、ずっと前までは気持ちが顔に
出てしまっていたけど、何年も続いたからか、
気持ちを顔に出さなくなった。

だから、いつもこういう時は笑顔で、悲しい
のは心の中でだけ。


こんな特技、いらないんだけどな。


クッキーを笑顔で『わかった』と受け取って、今日ゾムくんと屋上で会ったら渡そうかな、
なんて呑気な事を考えながら、屋上への階段を
のぼる。


…すこしだけ、今日はいない事を願って。

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