【第5人格】傷物処方箋【夢小説】 (ページ2)

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──荘園の皆様、ごきげんよう。

新しいサバイバーの追加をお知らせします。

ゲートへお越しください。

…………………………

…………

くらくらと揺れる脳髄を持ち上げて、辺りを見渡す。

……奴はすぐそこにいる。

不快な鼻歌が霧の中から聞こえてくる。
鋭い爪を鳴らして、愉悦に満ちた嗤い声と共に。

その音に徐々に背筋が凍らされていく。

「はて。迷子ですか……」

不気味に光る赤い目は、気付けばすぐ背後に迫っていた。

「可哀想に……仲間に入れて差し上げましょう」

あっという間に風船に括られ、逃げようと藻掻くのも気にせず化け物はすたすたと歩き始める。
まるで行く先が見えているかのように。

小馬鹿にしたような稚拙な作りの椅子へと有刺鉄線で縛り付けられれば、そいつはくっくっ、と嗤って。

「それではまた後で、迷子の子猫さん」

──そうして気がついた頃には、屋敷の門の前で倒れていたという訳だ。

重い身体をやっと起こして目を擦ると、ギギ……と鉄の門が開く音がした。視界に麦わら帽の少女が目に入る。

「新しいお友達なの？」

不本意ながら……そのようだ。