２柘榴の一味 ページ11
王都ファルヌスの衛星都市である、エナーゼ。
それなりの大きさの湖が街の周辺の到る所にある、そこは豊富な水資源を生かした農業はもちろん、繊維産業や観光にも力を入れている。
そんな“水都”の郊外に、森がある。
鬱蒼と暗く茂った木立のずっと奥。普通の人間ならまず足を向けないであろうという僻地に洞窟があった。
人目を避けるようにして存在するその洞窟は、巷で有名な獣忌の大集団『柘榴の一味』のアジト。
その一味の団員たちはこの洞窟を『青の洞窟』と呼ぶ。
他にも四つ柘榴の一味のアジトである洞窟が存在し、団員たちは月一単位でそれらの洞窟を渡り歩いていた。
中でも『柘榴の洞窟』という名のものが本部なのだが、構造は他と大差がなく、名ばかりの物である。
青の洞窟の入り口の高さは、大人の男であれば少し屈まなければ入れないぐらい。
しかし、内部へ進んでいくと徐々に天井が高くなっているのがわかる。
最終的には男性三人を縦に並べた高さを優に超えるのだ。
そうして、天井に比例していない人一人ほどの大きさの、奥にある扉を開けてくぐると、トンネルのような形状をした通路に繋がっている。
突き当りにある両開きの扉、それを両手で押し開ければ、広く空間が取られた、団員たちの憩いの場である食堂が存在した。
今も数人のメンバーが五つ置かれた丸テーブルを囲んで駄弁っている。
そんな食堂の少々騒がしくも和やかな空間に響く大声が一つ。
「おーい！ 俺今から依頼取りに街行くけど、買い物とか行くやついるか？」
広い食堂にいる全員に届くような声で呼びかける男性の名前は、サン・クレール。
柘榴の一味の創設者であり団長、そしてドーベルマン・ピンシェルの獣忌である。
「俺ついてくわ。団長は目を離すとなーんかしでかすからな」
「なんだよ、俺は子供じゃねーんだから大丈夫だって！」
と、サンと会話を始めたのは副団長のジーク・レシア。
ハイイロオオカミの獣忌で、サンがサボる書類の整理を代わりに行ったりと団長のお守りをしている苦労人である。
今も笑って茶化してはいるが目は限りなく真剣だった。仕事を増やされたくないのだろう。
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氷渡ミオ(プロフ) - 烏衣さん» 禁断の扉開けそうな雰囲気ですが隊長に他意はないのです…本当に綺麗だと思ったので言ってみただけなのです…！(なおダメ)庵さんを誉め殺しにしておろおろさせたかったのですﾌﾌﾌ。許可頂きましたー！ありがとうございますー！！ (2017年10月7日 22時) (
レス) id: 5912c8d8da (このIDを非表示/違反報告)
烏衣(プロフ) - レーヴェ団長に向かって笑顔を見せるカルト隊長にニヨニヨしていたら、翌朝……まさか隊長から庵に綺麗だなんて……ｳｯ駄目だこの扉は開いちゃ駄目なヤツだっ鍵掛けねば……！ｱｱｱ誉め殺しされてるいいんですよもっと困らせていいんですよ！！！ (2017年10月7日 21時) (レス) id: e4c92fe861 (このIDを非表示/違反報告)
氷渡ミオ(プロフ) - 怜皇さん» 予想外でしたか、驚かせることができたならちょっと嬉しいです！30話にしてやっと話を進めることが出来ました…！単に誉めただけですが確かに反応するのも無理ない回だと思いますwコメントありがとうございました！ (2017年10月7日 6時) (レス) id: 5912c8d8da (このIDを非表示/違反報告)
怜皇(プロフ) - 予想外だったレーヴェさんの登場から獣忌の謎の入り口にようやっと触れ…からからの庵さんいじり（？）…隊長が庵さん綺麗と言った当たりでもうひとりの私が反応してしまった回でした……（申し訳ないです！でも最高です！←） (2017年10月7日 1時) (レス) id: 0ed6205140 (このIDを非表示/違反報告)
氷渡ミオ(プロフ) - 烏衣さん» 尊いwありがとうございます！結構シリアス気味になってしまったのですが可愛いシーンが作れてよかったですー！ (2017年9月12日 20時) (レス) id: 5912c8d8da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷渡ミオ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年8月17日 0時
