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『さっきは揶揄ってごめんね…七海くん』
「私も言い過ぎました。すみません」
扉で追い詰められた私は結局、自分の椅子に戻らされた。
「それで……なんであんなことが起きたんです？差し支えなければお聞きしたいのですが」
『ん…まず七海くんは私に呪力がないの知ってる？』
「ええ、聞いたことはあります」
『そっか……でも実際は少しだけ違うの。半分合ってて半分間違ってる』
『私ね、天与呪縛＿＿＿呪霊に好まれる血液の代わりに呪力を保持しない縛りが掛かっているの」
そう一気に言えば、七海くんはひゅっと息を呑んだ。
『それで、最近までは私も呪力をもってない人間だと思ってたけど＿違かった』
『体外から呪力を取り込み、それを濾過して体内で呪力を生成する。人工呪力って言えばわかるかなぁ』
『それで、その呪力を生成するためにも幼い頃から呪霊を取り込んでいるわけ。つまり…この吐血は副作用』
自嘲気味に顔を歪ませれば、いつの間にかブルーグリーンの瞳は私を捉えていた。
「あなたは……貴方は幼い頃からコレに耐えてきたんですか？」
『血を吐くのは初めて…でも戻したり体を崩すのはしょっちゅうだよ』
「…」
視線を感じ、目線を上げれば今まで見たことのないような感情がその瞳には混じっていた。
＿やめて
＿＿＿やめて
なんでそんな目で見るの。
ただ私の身の上話をしただけで、彼の纏っている雰囲気は急激に柔らかくなった。
「私は少し貴方を勘違いしていたようです」
隣の椅子に座っていた彼は、立ち上がりゆっくり私に近づいてくる。
『なん…でくるの、ななみ「宵宮さん」……いや』
『こないで。私が可哀想だから今更仲良くしようなんて思われたくない』
「……」
何を考えているのかわからない瞳は相変わらず私を見つめている。
そして私の言葉を無視して彼はどんどん近づいてきた。
徐々に徐々に、距離が縮まる私たち。
ちがう、こんなことで私は友だちになりたかったわけじゃない。
いつか誤解が解けたら、
いつか謝罪を受け入れてもらえたら、
その時、友だちになりたかった。
こんな同情みたいな生ぬるい気持ちで仲良くなりたい訳じゃないの、
気付けば、私は滴をぱたぱたと溢し始めていた。
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ミルクティー - 直哉くんさいこー (4月6日 11時) (
レス) @page19 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 続きが気になりすぎる。。。！夢主ちゃんにはよ幸せになって欲しい！主様、更新まってます(*'▽'*) (2月11日 17時) (レス) @page18 id: dea07b8d55 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - うぎゃ！直哉君めっちゃいい！この修羅場好き！ごじょうどうでるか気になって仕方ない！ (2月9日 23時) (レス) @page18 id: e366ea730f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずな - この作品めっちゃ好きです！続き待ってます( *´꒳`* ) (1月23日 21時) (レス) @page17 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
もちゃちゃ(プロフ) - 夏斗さん、夜さんコメント有難うございます‼︎とても励みになります🥹❤️🔥 (1月20日 22時) (レス) id: c9a30c4dbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちゃちゃ | 作成日時：2023年8月31日 9時
