五輪 ページ5
裏から本を持ってきた降谷さんに笑顔を張り付け対応する。……なんで、この人持ってんの?やっぱり嵌められたの私!?
ささっと、サインを書けば、大切そうに抱えて裏へと戻っていた。
裏から戻ってくるなり、にっこにこ笑顔で、ご注文は何に致しますか?と問うてくる。
適当に注文すれば、目の前で作ってくれるらしい。そして、降谷さんはさらに、ご機嫌になった。
機嫌がいい降谷さんなんて、あれ以来正直見た事がなかった。なんか、久しぶりなんだけど、すごく変な感じ。安室透としての笑顔のせいか、やはり胡散臭い。でも、やっぱり機嫌はいいらしい。
「安室さん、機嫌いいね」
私の内心を代弁するかのように放った言葉はそのまま降谷さんを射抜く。それを発したのはまだ幼い見た目のコナンくん。
「そりゃあ、コナンくんだって、コナン・ドイルの書いた書籍に著者本人からサインをもらえたら嬉しいだろう?それに、ここらの女子高生だ。いつでも会えると思ったら、ちょっと嬉しい気分にならないか?」
「発想が危ないよ、安室さん……」
それはコナンくんに同感だ。発想が危ないよ、公安警察。
「そういえばさ、安室さんと紫お姉ちゃんって知り合いか何かだったの?」
コナンくんがズズッとオレンジジュースを口に含み、聞いてきた。……やっぱり、さっきの驚きは見られていたか。
「さっき初対面だったじゃない!何いってんのよ、ガキンチョ」
「だぁってー!紫お姉ちゃん、ポアロに入ってくるなり、安室さんを見て、目を見開いてたんだもん!それに、安室さんだって、紫お姉ちゃんを見た瞬間、目、見開いてたよ?」
『嗚呼、あれ?あれはね、イケメン過ぎてびっくりしてたの!
園子や蘭、世良ちゃん、梓さんから話は聞いてたけど、自分の思い描いた人よりイケメンだったからさ』
「ふうん、そっかー。安室さんは?」
「僕も同じだよ。テレビではよく見かけてはいたけれど、やっぱり生で見ると綺麗だなーって思ってさ」
「なあんだ、僕の勘違いだったんだ。...二人とも公安警察繋がりだと思ったのに...」
「...まさか...」
やっぱり鋭いなぁ。怖い怖い。偽名ってことすらバレてそうで恐ろしいや。
「安室さんってやっぱり彼女作らないんですかー?」
園子の発言により、話題の中心は私から降谷さんへと移行する。
「僕ですか?……良い女性がいると嬉しいのですが」
「紫なんてどうですかー?彼氏いないし、ね?どう紫??」
やっぱり。そうくると思ったよ、園子。
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