トリプルフェイスを持つ少女。実は･･･【名探偵コナン】 (ページ3)

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三輪ページ3

怠い授業もこれで終わり。この後は、今日の報告書を纏めて降谷さんに……。

「紫(ゆかり)ー！今日こそはポアロ、行くわよー！！」

『……げっ、園子』

「ゲって何よ！ゲって！！」

「紫はなんでそんなに行きたくないの？」

『なんでって言われても....』

だって、降谷さんがいるんだもん。こんなきゃぴきゃぴしてるところなんて、見せたくないし……。それに何より気まずい。
そんなこんなで降谷さんがいるときはポアロに一度も行ったことがないので、実質まだ一度も安室透にお会いしたことはないのだ。

「いっつも紫くんはパス―ってどこかに行っちゃうし、今日くらいはいいだろう？」

世良ちゃん……。君は、私が君の頼みに弱いことを知っててやってるのか……？
まあ、降谷さんがいないんだったら、行ってもいいか。

「コナンくんも会いたがってたよ？紫くんに」

「そうそう！ガキンチョもそうだけど、安室さんがぁっ！」

手を合わせ、目を伏せ、ロマンチックな雰囲気を出す園子。
安室、さん……ねぇ。

「金髪の兄ちゃんがどうかしたのか？」

「安室さんに紫の話をしたら、ぜひお会いしてみたいって……！それに梓さんだって～」

『あ～はいはい。わかったわかった。予定確認するから待ってて』

手帳を開いて予定を確認する。
今日は、……ポアロには”いない”か。じゃあ、行ってもいいだろう。少なくとも、降谷さんにはこの姿は見られないわけだし……。

『お待たせ―！いいよ、今日何も予定なかったし、行こうかポアロ。
久しぶりに梓さんにも会いたいし』

「そうこなくっちゃー！」

さあ、紫行くよー！と右側から園子に、左側から世良ちゃんに肩を組まれ、逃げられなくなった。
こりゃあ、参ったな。
降参、降参、といったように蘭に目を配れば、困ったように苦く笑うだけの蘭が目に入った。

(ちょっと、そんな顔するなら、助けてくれたって……)

そんなことを思っているうちにあっという間にポアロに着いた。
ポアロに着くなり、園子がざわざわと忙しなく動き出した。

『園子、どうし―』

「ふっふっふー……！もう逃げられないわよ！紫！！観念しなさーい！！」

いきなりのことに戸惑いを隠せずにいる私をいいことに園子はカランと勢いよく扉を開き、世良ちゃんが私の背を押した。

開かれた扉から店内を覗けば、いらっしゃいませー、と爽やかな声を上げる男性と女性の姿が。

……って、ちょっと。なんで降谷さんいるんですか？！