史上最強の死にたがり【銀魂】

白夜叉達の救世主18 ページ33

「こ、こうなりゃ俺達もあんたと一緒に素手で…！！」
「……刀で戦い慣れた人間かいきなり素手かい。そりゃまあ無謀なこって。相手が戦慣れしてない足軽ならまだしも相手はかなりの戦慣れした天導衆だ。素手なんて死にに行くようなもんだ」
「だ、だが…！！あんたは素手で…！」

「んなの慣れたからに決まってんだろ」
「いやさっきの戦いっぷりみたけど何でそんな慣れてるわけ！？相手武器持ってたよな！？」
「父さんが言ってたんだよ。武器に慣れ頼り切ってしまうほど面倒なものはないって」
「「「……」」」

な、なんつー理論だよ。素手に慣れた慣れてない以前にあの強さは次元が違った。話からして父親に鍛えられたっぽいがどんな修行したらあそこまで到達できんだよ…。



「それによ―――、漸く救えた命なんだろうが。
勇敢と蛮勇は違うんだ。救えた命をドブに捨てる真似なんざ馬鹿でもすんな」


「「「っ！！」」」
恩人の言葉に俺達はハッとする。そうだ。こいつが来たから先生やヅラ達を救えたがこいつがいなかったら…考えるだけでゾッとする。三人武器状態でこいつと一緒に戦えば、それこそ先生を守れる余裕なんてありゃしねェ。

せっかくこいつが先生を救ってくれたんだ。その好意を捨てる真似は……。



「なら銀時…！お前だけでも…！」
「は？要らん。一人だけ残られてもぶっちゃけ邪魔だ」
「おいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ！！今の傷付いたんだけどオオオォォォォ！！」
「事実だろ」
「完全に傷付いたアアァァァ！！俺のガラスのハート粉々アアァァァ！！」

「は？」
「お前が？」
「てめーらまで何だヅラ！高杉！喧嘩売ってんのか！！」
「ヅラじゃない桂だ！」
「おい今んな言い合いしてる場合じゃ……」





―――バアンンンン！！！！



「「「！！？？」」」
急に鳴り出した爆音に敵襲かと慌てたが音の発生源はあろうことか恩人でシュウゥゥゥ……と煙を立て地面が恐ろしいまでに減り込んでやがる。この光景には、背筋が凍った。



「この状況でぴーちくぱーちく喧嘩する暇があったらとっとと同意しやがれ。
さもなくばお前ら三人地に沈めるぞ」
「「「……は、はい」」」
脅迫同然の恩人の説得にただ返事をするしかない俺達。いやもう本能が恩人に逆らっちゃいけねえってビビってる。俺、ヅラ、高杉三人とも冷や汗を掻きまくってるし。


「……度々すいません。私からもよろしいでしょうか」
「…簡潔に頼む」
「…実はですね」

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